出来事

四国協商会議において、各国領事館への駐在武官の派遣が議決された。この武官は国境警備隊の代理を担い、印形(シグネット)を与える事を許されているため、他国に滞在中の冒険者も、コンクェストに参加することが事実上可能となった。

領事館への駐在武官派遣の必要性は、以前より冒険者から提唱されていたが、協商会議においては、外交関係を緊張させかねないとの理由により、度々否決されてきた経緯があった。
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「領事館に武官を派遣することは、自国領において、他国の冒険者がコンクェスト活動を始めることを意味する。これでは辺境の獲得どころか、直領地の保全すら、おぼつかない」

それが、各国が反対する本音だったのだ。しかし先日起きた、ロンフォール・サルタバルタ両地方が相次いで、獣人勢力に占領された事件で、両国の対応は一変した。
「いくら他国武官の駐在を許したところで自国の優位は変わらない。そして、それによって獣人支配という最悪の事態が避けられるのならば仕方ない」

自国に危機が迫ったサンドリア王国とウィンダス連邦は、自ら駐在武官派遣を提議したのである。そして、会議の採決の結果、3対1で駐在武官の派遣は議決された。

これに伴い、唯一反対を貫いたバストゥーク共和国からは新たなるコンクェスト戦略が実施された。グスタベルグ山脈の中央に駐屯していた国境警備隊を、コンシュタット高地を望む北部に移動させたのだ。

今回の採決を不服とした大統領の命令で、ザルクヘイム地方の領土獲得のため攻勢に転じたのは間違いない。

近年、獣人たちの活動が活発化しているのは周知のとおりだが、今後は各国の領地を巡る争いも激化することは必至であろう。

四国協商会議
4ヶ国の国際的利害事項を審議・決定するために、各国の代表者によって開かれる公式の会議。年に一度、ジュノの大公宮で開催される。


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