出来事

その夜、ウィンダス森の区に多くの冒険者が集い、夜が明けるまで踊り続けた。それは、彼らが戦いを忘れるつかの間の休息だった。冒険者たちの絆は、国家間の壁を超えたところで確かに育まれているようだ。

「ウィンダス森の区で"Bon-Odori"が開催されるらしい」

その噂は、冒険者たちの間でごく自然に広まっていた。決められた振り付けはなく、参加者が思うとおりに体を動かす"Bon-Odori"。
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きらめく星たちが見守る中、森の区には数え切れないほどの冒険者たちが集って歌い、そして踊り続けた。

魔道士は幻想的な魔法の輝きで夜空を彩り、世界を旅する吟遊詩人は、自慢の曲を奏でた。

地元のタルタルは無邪気にステップを刻み、ミスラは尻尾で拍子を取りながら伸びやかに踊った。

サンドリアやバストゥークから、"Bon-Odori" のために足を運んだ者も少なくなかった。そこでは再会のドラマも数多く生まれていた。

冒険者たちは、戦場で多くの出会いと別れを重ねている。だからこそ、その夜、懐かしい仲間たちと杯を交し、共に助け合った日の思い出を語り明かせたことは、思いがけない喜びだったようだ。

普段の彼らは自国のために戦う猛者であるに違いない。しかし、幸せに満ちた "Bon-Odori" の夜には、国境など無用らしかった。

本紙記者の取材に、ある冒険者は「ヴァナ・ディールでの冒険を楽しみたい」と語った。

常に危険と隣り合わせの日々を、"楽しむ"。

そんな心意気こそが、冒険者の強さの源であり、"Bon-Odori" を生み出した精神にもつながっているのかもしれない。

森の区の治安を司るRakoh Buuma隊長は、当初このお祭り騒ぎに困惑していた。しかし、心配されていた大きな混乱も起きなかったため、以後この"Bon-Odori"を歓迎することにしたようだ。

また、領事館を通じて報告を受けた各国政府も、今回の "Bon-Odori" を成功させた冒険者たちの結束力にはたいそう感心していたという。

今後ヴァナ・ディール トリビューンでも、このような冒険者の集いを全面的に支援していく方針だ。事前に本紙まで連絡を頂ければ、可能な限り協力することを約束したい。
国家や種族の壁を取り払うのは、冒険者の「絆」に他ならないのだから。
(Finleen)

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