コンシュタット高地で道に迷っていたタルタルの双子を連れて、少々にぎやか過ぎる旅を続けること数日、やっとセルビナの町が見えてきた。
信じがたい話だったが、ふたりはこの町から冒険者の一行にまぎれてコンシュタットまで歩いたという。幼い少女たちの冒険心と、はかり知れない度胸に、私は敬意を表した。
セルビナに到着するやいなや、ふたりの手を引いて宿屋に向かった。
案の定そこで待ち続けていた母親は、歓喜の声を上げて娘たちを抱きしめた。母の優しさを急に思い出したのか、双子はやはり同時に泣き出した。
親子の再会を見届けて、私はようやく静かな時間を取り戻した。ほっとしたが、物足りないような気もした。
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