万物を司る元素は、8種の属性からなる。火薬に点火すると爆発がおきるように、属性エネルギーは特定の条件下で、強い破壊力を発生させる。そして、連続で発生させた時、相乗効果によって、その破壊力はさらに強大となる。 これが「連携」と呼ばれる効果である。「連携」によって、何故、強力な属性エネルギーが発生するのか。 その原理はいまだ解明されていない。冒険者たちは経験則に従って、その力を利用しているだけだ。 だが、最近、その効果と作用について、新たなる事実が発見された。 ウェポンスキルの「連携」によって発現した属性エネルギーに、同じ属性の魔法効果を増幅させる触媒のような性質があったのである。 たとえば、戦闘中、炎属性を有するウェポンスキル「レッドロータス」を放ち「連携」させた直後に、炎属性の魔法「ファイア」を発現させる。すると、敵の抵抗力を減じるだけでなく、炎の属性エネルギーが奔流となり、驚異的な威力を発揮するのだ。。 この現象は「マジックバースト」と名づけられ、広く冒険者たちに伝播しつつある。 この「連携」や「マジックバースト」を発生させるためには冒険者個人の修練はもとより、仲間同士の一致した呼吸が必要となる。 一朝一夕にできるものではない。 それだけに、これらの戦法が最高の効果をあげた瞬間を"至高の一瞬"と呼ぶ者さえいる。 今、属性エネルギーを応用した戦いの技巧は、熟練者を中心に、冒険者の新たな戦闘スタイルとして広まりつつあるのである。