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冒険者の間で囁かれだした、偉大なる獣の存在。それはウィンダス連邦で研究すら禁止されてきた召喚魔法と何か関係があるという。その正体を探るべく、ウィンダス石の区に住む3人の識者に話を聞いた。
「あなたもご存知でしょう、ウィンダスでは召喚の魔法は禁じられているのです」
そう切り出したY博士は、20年前、ウィンダスで、召喚魔法がたった1人の天才によって編み出されたことを口にした。
「魔法学校の生徒であったころから、彼の魔力と学力はずば抜けていました。しかし、その魔法のために彼は……、彼は命を落としたのです。私が言えるのはここまでです」
S博士は、所属も秘密とする条件で取材に応じてくれた。
「まあ、みなさんもご存知の通り、このわたくしは天才的な魔道士ですから、召喚魔法の原理を知らずとも、召喚魔法について想像することくらい、朝飯前ですわ。
おそらく偉大なる獣の力と契約することで、その力を借りる魔法だと、わたくしは考えていますの。
え? 偉大な感じの獣、とは何か、ですって?それはほら……、もう、偉大な感じとしか言いようのないほど、おそろしい獣のことですわ。
……まったくもう、レディに対して失礼な質問ではないですこと!? わたくし、気分を害しましたわ! さっさとお帰りなさい! しっしっ!」
そしてK博士は、その偉大なる獣に関して、このように述べた。
「ワシの新しい研究のことか? どこから聞きつけたかは知らないが、あれはものすごい研究だ。 あの研究が成功すれば、おそらくこの世のすべてのツボが……。
ツボはどうでもいいのか……、ガックシじゃ。
……そんなおもしろい顔しなくともよい。あ、驚いた顔なのか、しっけいしっけい。
偉大なる獣について、ウィンダスでも、おそらくワシしか知らんことがある。トップシークレットだぞ。
それは、ウィンダスにいた偉大なる獣のほかにも、偉大なる獣は存在するということだ。
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確か、“かーばんくらー”と“いふりーたん”というのだ。うむ、間違いない。
……そんなおもしろい顔しなくともよい。あ、それまた驚いた顔なのか。しっけいしっけい。
なんでワシがそんなことを知ってるかは、それこそトップシークレットなのだ。ガハハ」
みな、要領を得ないコメントだったが、偉大なる獣について、いくらかの情報を得ることはできた。
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召喚魔法は実在し、ヴァナ・ディールのどこかに偉大なる獣も存在している。そして、両者は深い関係にあるのではないか、ということだ。それは伝説でも幻でもない。
ジュノで店を構える占い師のKurou-Morou(クロウモロウ)氏は、訪れる冒険者たちの未来を占うなかで、偉大なる獣のヴィジョンを見ることがあったという。
いつか、そう遠くないうちに、冒険者たちが偉大なる獣と遭遇するときが来るのかもしれない。
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