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今日、地図を持たずに旅する者はいないだろう。この地図が、昔の探検家親娘が2代にわたる苦難の末、たった2人で完成させた物を元にしているのは有名な話だ。その父の方の手記が発見され、新事実が浮かび上がってきた。
まだ飛空艇はおろか、国と国とを結ぶ街道すらなかった時代に、世界各地を踏破したアイアンハート父娘。
その名を知らぬ冒険者は、まだ経験が浅いに違いない。
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船乗りから探検家へと転身した父Gwynham (グインハム)と、その後を継いだ娘Enid(エニッド)。
この2人によってヴァナ・ディールの地図は作成され、我々は安全とは言えないまでも、迷うことなく旅することができるようになったのだ。
2人は訪れた各地に石碑を残している。
我々はそれを読むことで、彼らがそこで何を見、何を感じたのかを断片的に知ることができる。だが、彼らの足跡を後世に伝えてくれるのは、この碑文だけではなかった。
Gwynhamが旅の途中で出会った人々について書き留めた直筆の手記が、つい最近、ドラギーユ城の書庫の奥より発見されたのだ。
この手記の中には、実に多くの人々が生き生きと描写されていた。
彼の護衛を務めた屈強な戦士、共に木陰で雨宿りした陽気な吟遊詩人、一夜の暖を提供してくれた、親切な酒場の亭主など。
手記からは、彼の旅が決して孤独ではなかったことが窺える。
中でも、特に頁を割いて、何度も登場してくる名前がある。
「Atsut」「Fluorite」
「Komimi」「Millennium」
「Phoron」「Tictac」
この6名だ。彼らは、Gwynhamを影から支え、クォン大陸の地図作成に大いに貢献した者たちだった。
既に、彼らの名は、世間から忘れられて久しい。
しかし、彼らがいたからこそ、今日の我々に地図の利便がある。
地図を開くときに、彼らの名を思い出すのも悪くないだろう。 |

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