 |
コンクェストで劣勢を強いられていたサンドリア王国に復活の兆しが見えている。優れた団結力で最近の急激な反攻の原動力となった冒険者たちに対して、勇猛で知られるトリオン王子が賛辞を送った。
「崇高な精神を宿す冒険者たちが、種族を超え、サンドリアに組しているからこそ、今の隆盛がある。
その中でも注目しているのは“赤獅子騎士団”だ。
彼らは、我が王立騎士団がオークどもとの戦いや北方遠征に兵を割かれている苦境を察してか、殊勝にも自主的に騎士団を結成し、領地獲得に尽力してくれているそうだ。先達て、我が国の悲願だった旧領回復が成されたことが、それを証明している。
|
 |
 |
名の如く、彼らの獅子奮迅の活躍が目に浮かぶようだ」
“赤獅子騎士団”は、サンドリア王国に属する冒険者の有志が結成した義勇兵団である。
現在、この騎士団に所属する冒険者は優に100 名を超えており、賛同者も数え切れないそうだ。
「サンドリアに所属する冒険者の団結力はすごいですよ」
|
 |
創設者のLugia氏は、本紙の取材でそう語った。結成の目的は、王国に属する冒険者の結束を深めることにあったという。
“赤獅子騎士団”は、当面コンクェスト政策で他の2国に比肩する戦果を残し続けることを目標とし、王立騎士団が指揮を執る遠征軍に参加して戦ってゆくそうだ。
「むろん、彼らも氷山の一角なのだろう。頼もしき冒険者の団結力よ!我が国の冒険者たちに感謝し、そして今後の活躍に期待している。
雌伏の日々は終わり、今こそ目覚めん。サンドリア王国に栄光あれ!」
トリオン王子は、こう賛辞を締めくくった。
栄光に満ちた数多の歴史を誇りながらも、今では老いたる獅子、眠れる獅子とやゆされる黄昏の王国。
しかし、その誇り高き魂は、鷲獅子の旗の下に集まった冒険者たちに脈々と受けつがれ、鋭く研ぎ澄まされつつある。サンドリア王国がかつての栄光を取り戻す日も、そう遠くないかもしれない。
Ainworth
|

|
|