出来事 課税により変貌するジュノ市場

過日、ジュノに導入された課税によって、下層の競売所付近でバザーを開いていた冒険者商人たちは、なんらかの対応を余儀なくされている。彼らの一部は、バザーを続けるため、新たな販売法を模索し始めたようだ。

課税対象地域は市街全域に及んでおり、競売所のある下層とル・ルデの庭では販売額の10%が、上層と港では5%が課せられている。

この課税をもっとも好意的に捉えているのは、大公の公認で各地の特産品を商っていた貿易商たちである。上層のチョコボ厩舎付近でフォルガンディ地方の特産品を商っているKasim(カシム)さんは、下層の混雑について次のように語った。

「ジュノ国民である私でさえ、この場所で営業許可を得るために、ずいぶんと苦労したんです。

だのに、下層が賑わいを見せ始めてからこっち、その近辺だけで買い物を済ませてしまうお客様が増えましてね。

おかげで、ウチの商売はあがったりだったんです。

もちろん、どこよりも安く、ご奉仕させていただいてたにもかかわらず、ですよ」

営業許可証を持つKasim さんは、課税を免れる代わりに、上層にある所定の場所以外での販売行為を固く禁じられているそうだ。

そのため、課税効果によって多くのバザーが上層へと移り、つられて客も流れてくれば、自分の商売が繁盛するのではないか、と密かに期待しているようだった。

だが、課税が導入されてから、ここ数日の動向を見る限り、Kasim さんの期待は外れたように見える。

下層の競売所付近でのバザーは確かに減ったが、なくなったわけではなかった。

冒険者商人たちは、競売所前という好立地での販売を続けるべく、様々な試みを始めたのだ。

食品など需要の高い品を扱う商人たちには、値下げを敢行して、課税に対応する姿が多く見られた。

また、ユーモア溢れる文句を看板に綴ったり、喉が涸れるまで売り口上を叫んだり、と独自の集客方法を試みる冒険者商人が、課税前より目立つようになった。

競売所前のバザーの様相が、課税を経て、今後どのように変貌し、どのような形に落ち着くのか、現段階で予想することは難しい。

ただ、バザーを続けようと努力する冒険者商人の様々な販売風景は、課税が導入された直後の今だからこそ、楽しめるものなのかもしれない。
Zenngg

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