出来事 ジュノ〜カザム間航路、再開に目処

カザムは、ミンダルシア大陸の南方に位置するエルシモ島にある漁村である。カザムとジュノを結ぶ飛空艇航路は、安全面の不安から長らく運行を見合わせていたが、この度、再開の目処が立った。

エルシモ島は、マウラとセルビナを結ぶ連絡船の甲板からも望むことができる。

絶えず黒煙を噴きあげる火山。全土を覆う、うっそうとした密林。多くの人間にとっては過酷な環境の島だ。

唯一、人が居住するのは、北端にあるミスラの村、カザムだけである。「カザムパイン」や「カザムがらし」などで、その名を知っている者もいるだろう。

「カザム……懐かしい名……。この街に住むミスラの中には、あたしのように、20年前に、エルシモ島から渡ってきた南方出身者も大勢いる。もう二度と戻ることはないが……」

ウィンダス森の区に住むミスラの族長Perih Vashai (ペリィ・ヴァシャイ)は、カザムについてこう語った。

エルシモ島は、セルビナ協定によってコンクェスト政策の対象地域と認定されていた。

しかし、かの地を訪れた冒険者は久しくいなかった。

それは、飛空艇の運休により、エルシモ島へ行く手段が断たれてしまっていたからに他ならない。

エルシモ島への道が開ければ、冒険者はそこに新しい活躍の場、そう『新天地』を見いだすことだろう。

Ainworth

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