特派員 冒険者は今 懐かしき情景を胸に

祖国を旅立った冒険者たちは、その後、目にした情景にどんな思いを抱いたのだろう。「あなたの冒険の思い出はなんですか?」心に残る風景と、そのエピソードを聞いた。

「北グスタベルグの滝の壮大さに、しばらく見上げてました」

「ラテーヌ高原ではじめてパーティ
に参加したとき、彼方にホラの岩を見つけて、その大きさに驚きながら周りを探索したよ」

「ダルメルの背、高すぎ!」

巨大なものを前に、人はなぜかワクワクしてしまう。

タルタルの冒険者が、間近から見上げたダルメルについて憧憬をこめて語る姿が微笑ましかった。

「獣人の本拠地へ乗り込んだのですが、押し寄せるクゥダフの大群を見て、命からがら逃げ帰りました」

「薄暗いジャグナー森林を、ジュノ目指して進んでたんだけど、いつ虎に襲われるかとヒヤヒヤした」

冒険者は常に命の危険と背中合わせだ。しかし、そんな状況でも目を奪われるような絶景に出会うことも。

「海が夕陽で真っ赤に染まった海岸に感動しました」

「極寒の地で戦闘に明け暮れていたとき、ふと空を見上げるとオーロラが揺れていて、見とれてしまった」

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他にも多くの情景にまつわる話は得られたが、ここで特に印象深い“忘れられない”心温まるエピソードを、3つ紹介しよう。

「友達が冒険に疲れたと嘆いていたので、ホルレーの岩峰にある温泉へ連れていってあげました。ふたりともタルタルなので、頭までどっぷり。結局3日間入りっぱなし。友達も喜んでくれて、とても良かったです」(Tantanさん)

「獣使いの道を歩みだして間もない頃、一度挫折しかけました。でもバルクルム砂丘で獣使いの先輩と出会い、いろいろなことを教わりました。

いま獣使いを続けているのは、その師匠と呼べる先輩との出会いがあったからだと思います」(Karさん)

「冒険を始めて間もない頃、南グスタベルグの焚き火で料理を作っていました。もうひとり、私と同じく焚き火に来た方がいて、料理を横取りしようとするゴブリンを一緒に退治したりしました。そのうち話が弾んで、いつしか仲良くなりました。

私にとって、初めての友達でした。いまでも一緒に、旅をしています」(Sagaraさん)

同じ場所の思い出も、仲間と一緒ならもっと大切な思い出になる。

楽しいこと、つらいこと。旅の経験が豊富な者ほど、心に刻まれた情景は多く、感慨も深い。

今日も、冒険者たちは旅を続けるだろう。懐かしき情景を胸に抱き、新しい感動を心に残しながら。

Kanox/Caitsith

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