出来事 新たなるフロンティア

かねてより噂されていた“コンクェスト地域の拡大”が、ついに現実のものとなった。今までの諸地域では飽きたらなくなった冒険者に、新たな挑戦と試練の場が開かれたのだ。

事前調査では、コンクェスト対象として追加された、リ・テロア、低地エルシモ、高地エルシモ、クゾッツ、ヴォルボーの、5つの辺境地域にほとんどの冒険者が興味を示していた。また、冒険の拠点となるだろう各地の村落にも、皆、高い関心を寄せていた。

中でももっとも注目されていたのは、“海賊の巣窟”と噂され、ブラックマーケットとも称されるノーグである。東方の物品が流入しているらしいという裏情報もあり、謎めいたイメージが冒険者を惹きつけたのかもしれない。

「“海賊のアジト”と聞いて、黙ってはおれまい」「いかにもお宝がありそう」などという、意見が聞かれた。

次いで人気だったのは、ミスラの村カザムである。カザムに関しては、以前からウィンダスでよく話題にされていた。そのせいか、具体的な目的もあって渡航を待ちわびる冒険者が多かったようだ。

「調理人として、カザムパインのような南洋の食物の原産地を、この目で確かめておきたい」「ミスラの里ということなので、一度は行っておきたい」などという意見が聞かれた。
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そして人気の3番手はラバオである。砂漠の中継地として発達したラバオは、冒険者にとって目的地ではなく、あくまで“旅の途中で立ち寄る場所”といったイメージだろうか。

「砂漠におかしなモンスターがいるらしいから、そいつを見てみたい」といった意見に代表されるように、アルテパ砂漠に対する期待が、ないまぜにされていた。

そして、冒険者が辺境に対するそれぞれの期待に胸をふくらませる中、ついにその日は訪れた。

カザム行きのパスを手に入れ、エルシモ島へ飛空艇で向かう者、コロロカの洞門を抜けて、ゼプウェル島を徒歩で目指す者。冒険者たちは、こぞって新しいフロンティアへ旅立っていったのである。

そして旅立った者の数だけ、そこではドラマが生まれたようだ。

たとえばラバオに行くには、灼熱のアルテパ砂漠を越さなければならない。地図なしの砂漠越えがいかに大変か、体験した者でなければ想像すらできないだろう。

「地図がなかったので、ドキドキでしたよぉ。ラバオがどこにあるのか知らなかったし。途中、出会った人に聞きまくって、ようやくたどりつくことができましたぁ」 と語ってくれたHajukiさんのように、アルテパ砂漠を散々さまよったあげく、ようやくオアシスであるラバオにたどりつけた者も多かった。

事前の調査で、こんなことを言っていた冒険者がいた。

「新しい土地、新しい生き物、そしてまだ見ぬ誰かに出会いたいですね。とにかく、もっともっと冒険がしたいんです」

新天地への扉が開かれた今、冒険者の活動範囲はさらに広がった。そこで待っているものが何であれ、彼らは恐れない。見たこともないものを見つけ、体験したこともない出来事に遭遇する。

たとえそれが苦難をともなうものだとしても、冒険者は必ず打ち勝つだろう。その苦難そのものが冒険なのだから。
特派員 : Across / Phoenix

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