出来事 来たれ!職人バザー

「本日ジュノ上層にて職人バザーを行います」このような呼び声を耳にしたことがあるだろうか? この呼びかけこそ、優れた職人が集う市が開かれることを告げる合図なのだ。

職人バザーとは、ヴァナ・ディール屈指の上級職人たちによる製造直売の市である。より良い品をより安く、めったにお目にかかれない掘り出し物も並び、おまけに普段交流の少ない職人たちとも知り合えるチャンスとして、冒険者たちに知られている。

写真 「バザーの利益を元手に、さらに良い品をより安くお客さまに提供したい。これが職人バザーの狙いです」

そう語るのは、職人バザーの中心になっているKisaraさん。彼女自身も熟達の彫金職人だ。もともとは商品の在庫処分に赤字覚悟で始めたバザーだったが、それが好評を博したことから今日の職人バザーへとつながったそうだ。

「売り声の飛び交う、活気あるヴァナ・ディールにしたい」と夢を語る彼女に、腕に自信のある各方面の職人が賛同して集ったのだ。

定期的に開かれる職人バザーでは、ハイクォリティ品を無料でもらえるダイス勝負や希望価格を口々に叫んで競り落とすオークションなど、お祭り要素も盛り込まれるようになり、今では職人も冒険者も一緒になって開催を心待ちにしているという。

だが、なんといっても職人バザーの一番の醍醐味は、直接取引にある。

「いま手持ちがないのでもう少しまけてもらえないか」「売り切れなら予約しますので、でき上がったら連絡いただけませんか?」などといった交渉や、冒険者の素材持ち込みによる実演制作は、職人たちも大歓迎だという。彼らにとっても、冒険者たちのニーズを知るよい機会となっているからだ。

「ありがとうございます。大事にしますね」

丹精込めてつくった商品を手渡しできる喜びは、競売所を介しては得られないものだ。中には「金に糸目はつけないので、希望どおりの武器ができるまで作り続けてくれ」といった職人たちを悩ませる依頼もあるというが、できることならなんとかして冒険者の望みを叶えたいという気持ちが、さらに職人たちの腕に磨きをかけていく。

職人バザーに必要なのは、なにも腕の立つ職人とそれを買い求める者たちだけではない。彼らが使用する素材を格安で販売する冒険者の参加もまた期待されているのだ。 職人としての腕に自信がなくても、冒険者として未熟でも、狩りで得たちょっとした戦利品を並べるだけで、職人たちには歓迎される。

今、これを読んでいる貴方も、気の合う仲間と協力して、気軽に参加してみてはいかがだろう。

ギルドの買い取り価格見直しや、競売所の出品手数料変更など、さまざまな要因によって市場が元気をなくし、職人たちが意気消沈している今こそ、この職人バザーのような活気溢れる場が必要とされている。
特派員 : Palulu / Siren

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