出来事 星満ちる夜の願い事


古来よりヴァナ・ディールの民には、願いを込めて星に祈るという習わしがある。まして世界中を駆け巡る冒険者には、きっと大きな夢や目標があるに違いない。

アンケートを行ったところ、やはり冒険者の願い事は、戦いの技能に関するものが最も多かった。「銃士隊より強くなりたい」「ライバルである友人を越えたい」など、目標となる人物像を掲げる願いが多いのも特徴だ。

そんな中「高貴な鎧をまとう騎士になりたい」と願う、素朴な意見も聞けた。まだ冒険者を志して間もないKessierさんだ。バストゥークで出会った彼の言葉からは、容姿だけではなく、騎士道精神そのものへの憧れも伝わってきた。

「いまはまだ貧弱な防具しか着られませんが、いずれはまばゆく輝くような防具で、仲間を力強く護れる存在になりたいんです」

また、すでにナイトとして経験を多く積んできたRauraさんも、願い事は同じく「立派な騎士になりたい」であるという。

「私はタルタルなので非力に見られがちですが、以前新聞で読んだ女性タルタルの果敢なナイト姿に勇気づけられた。自分も頼れるナイトを目指して、より鍛錬していきたい」

写真 一方で、野望に満ちた願い事を抱く冒険者もいる。竜騎士であるタルタルのRevannaさんは、質問に対して突然クスクスと笑いだし、「世界征服」とうそぶいた。

「自慢のランスで、旅路を阻むモンスターを突いて倒していくんです。いつの日か相棒のワイバーンと一緒に、いや、ワイバーンの背中に乗って、世界中を旅したい。

これが私にとっての世界征服かな?」

また、ファッションに敏感な冒険者ならではの「おしゃれコンテストに 出てみたい」「色々なデザインの洋服を裁縫したい」という願い事も聞けた。

余談だが、「カラフルなサブリガがあると、その日の気分で履き替える事ができてよいのですが…」と独創的なファッションセンスを披露するサブリガ愛好家Tupacさんのような人もいた。

彼の一番の願い事は"サブリガ王国"だ。「サブリガ愛好家が気軽に集える場所を提供したい」というのが、その真意のようだった。

他に多かったのは「獣使い同士で意見交換する場がほしい」「ミスラだけで構成する大旅団を作りたい」などの意見に代表される、仲間意識をより強めたいという願い事だ。

仲間と過ごす時間を大切にしたい。それはある意味、すべての冒険者に共通する願い事ではないだろうか。南サンドリアの一角で、賑わう競売所を遠く眺めながら、Scannerさんはこう語った。

「みんな戦いに明け暮れる日々で、疲れがたまると思うんです。生活の上でなにか辛いこともあるでしょう。そういう時、仲間のそばにいてあげたい。

私の着けるリンクシェルが、仲間たちにとって心休まる場所となってほしい。これが私の願いです」

一説によれば、この習わしはガルーダ座に祈ることで奇跡の風ビチャープが願いを叶えてくれるという言い伝えに由来しているという。しかし、それに関係なく、多くの冒険者にこの習わしが親しまれているのは、彼らが様々な夢や大志を抱いて、日々を過ごしているからではないだろうか。

最後に、インタビューでとりわけ印象に残った、ある少女の願い事を紹介したい。

「お嫁さんになりたい」

自己理想の追及、壮大な野望、仲間を思う優しさ、そして少女の淡い想い。すべての冒険者の願い事が星に届き、希望の光となりますように。
特派員 : Kanox / Caitsith

戻る