バストゥーク共和国、サンドリア王国、ウィンダス連邦。各々の国に所属している冒険者は、自国のことをどれぐらい知っているのだろう。多くの冒険者が集うジュノの往来で、アンケート調査をおこなってみた。
質問 : あなたは所属する国の指導者の名前を知っていますか?
正解 : バストゥーク / カルスト(Karst)
サンドリア / デスティン(Destin)
ウィンダス / 星の神子(Star Sibyl)
その結果は、意外なものだった。
アンケート結果 : 知っている … 10% / 知らない … 90%
なんと、回答者のうち自国の指導者を正確に答えられた者は、ほぼ1割に過ぎなかったのだ。しかも、バストゥーク共和国の現職大統領の名"カルスト"に至っては、正解者が1人もいなかったのである。
なぜだろうか? その鍵は比較的正解が多かったウィンダス連邦の指導者"星の神子"にある。
「星の神子さまです〜。えぇと、他の国の方は存じ上げません。すいません(タルタル女性/バストゥーク)」
このように他国の冒険者でも、彼女の名は答えられる者が多かった。その理由はいろいろ考えられるが、"星の神子"という呼び名が、彼女の肩書きでもあったことが大きいだろう。
「知らないですね。え? バストゥークって大統領制だったんですか?(ヒューム女性/ウィンダス)」
「知らないです。他国? もっと知らないね(ヒューム男性/ウィンダス)」
このように政治に対してまったく無関心である者は例外として、多くの冒険者はバストゥーク共和国が大統領制であることは知っていても、"カルスト"という名は、出てこなかったわけである。
一方、指導者ではないものの、多くの冒険者が名を記憶している要人がいることも、調査の過程で浮かび上がってきた。
「王子様なら兄弟ともわかります よ? え? 王様? 知らないですね〜(ガルカ / サンドリア所属)」
「ミスリル銃士隊のアヤメなら、よく知ってるよ(ガルカ / バストゥーク所属)」
名の挙がったサンドリア王国のトリオン王子や、バストゥークのミスリル銃士隊に所属するアヤメさんなどは、冒険者と直に接する機会が多いことで知られている。彼らのように自らの足で行動してみせる活動的な要人には、冒険者も親近感を抱いているようだ。
国籍こそあるものの行動の束縛を嫌う冒険者にとって、自国の指導者の名など大きな意味を持たない。
むしろ、同じように自らの志を持って戦っている彼らの方が"名を覚えるに足る人物"ということなのだろう。
それにしても、1割という数字はお世辞にも高い数字とは言い難い。この事実の背景には、さらに根深い問題があると考えられる。熟練の冒険 者ほど自国を離れ、ジュノに滞在するようになることだ。
ジュノと辺境を行き来することに忙しい熟練冒険者にとって、自国の出来事は遠いよその国の話に感じられるものなのだ。
しかし、治安や防衛の一端を冒険者が担うようになってきている3国にとっては、熟練冒険者の流出は深刻な事態と受け止められているようだ。
そしてジュノの栄華も、3国の繁栄なくしてありえないということも忘れてはならない。
各国政府による、冒険者の自国への意識を向上させる方策に期待したい。
特派員 : Across / Phoenix