整頓されていない部屋や、モーグリの応援を活用しない冒険者の多さを嘆き、立ち上がったモグハウスハンターの2人。
モグハウスの管理規約により他人の部屋への潜入は不可能だったが、モーグリが持っていたスクリーンショットを見せてもらい、細々と活動を続けるのであった。

【モグハウスハンター】
Liliana(通称リリ)
エルヴァーン♀
父親は有名な調度品職人。
調度品の価値や、配置だけでなく流行にもうるさい。

Paruda-Moruda
タルタル♂
調度品属性の研究者。
モーグリの応援についての知識は確かだが、性格はやや攻撃的。

パルダモルダ:今日は、正々堂々とモーグリにスリプルをかけて突撃してみようと思うんだ。
リリ:ぜんぜん、正々堂々としていない気がするわ。もう、潜入するのは無理そうだから、普通にご挨拶しましょうよ。
パルダモルダ:でも、見ろよ。モーグリのやつ、のんびりお菓子を食べてるぜ。
リリ:あら、本当だわ。これならいけるかも……。 パルダモルダのスリプルが発動。→レジスト効果発動! モーグリは魔法効果をレジストした。
モーグリ:そろそろ来る頃だと思ったクポ。からしせんべいを食べておいて正解だったクポ。
リリ:うっ……やるわね! 見つかったなら仕方がないわ。モグハウスハンター参……
モーグリ:言わなくてももうわかるクポ……スクリーンショットなら用意してあるクポ!
パルダモルダ:悔しいけれど、話が早いな。

モーグリ:1枚目はバストゥーク所属のガルカ戦士Aさんのお部屋クポ!

リリ:うわぁ、3国の国旗が揃ってる……凄腕の冒険者ね。
パルダモルダ:この本棚とベッド……高そうだな。
リリ:ブックシェルフとノーブルベッドは、サンドリアの伝統的な調度品よ。腕のいい職人さんしか作れないから、高値で取引されているわ。
パルダモルダ:ブックシェルフは収納数が多い調度品の中では珍しく、炎の属性を持ってるんだ。部屋全体の属性は炎だね。でも、同じ炎属性の王国旗の影響のほうが強くて、モーグリの応援はサンドリア個人戦績になっちゃうな。バストゥーク国民なのに……。
モーグリ:この部屋のご主人さまは、お部屋に帰ってきたときだけ王国旗を飾って、お出かけするときは片づけるクポ。ちなみに調理が得意クポ。
パルダモルダ:なるほど。普段は炎の応援にしてるんだね。
リリ:属性そのものの応援って、職人さんにはいいみたいだけど、具体的にはどういう効果なの?
モーグリ:その属性のクリスタルを使った合成をして失敗したときに、材料がなくなる可能性を少なくするクポ!
リリ:高級な素材を使うときには、うれしい効果ね。
パルダモルダ:部屋にいるときといないときで、配置を工夫するのはいいアイデアだね。

モーグリ:2枚目はバストゥーク所属のタルタル♀吟遊詩人Eさんのお部屋クポ!

リリ:なんと言うか……人が住んでいる気がしないわ。
パルダモルダ:まるでどこかの監獄のようだ……。ツリーが3種と門松まで飾ってあるのに、どうしてこんなに殺風景に見えるんだろう。
リリ:バストゥークのモグハウスは石造りだから、置いてある調度品が小さかったり少なかったりすると、冷たく見えてしまうのかもね。
パルダモルダ:この部屋の主は、隅っこのほうで何をしているんだ?
モーグリ:壁際に立っているのは、この部屋のご主人さまじゃなくてマネキンクポ!
リリ:マネキン!……アンティークな調度品だわ。作ることができる職人なんてもういないはずよ。でも、この部屋の不気味な雰囲気はこの人形のせいかもね。お父様から、マネキンは不吉なものだと聞いたことがあるわ。
パルダモルダ:「マネキンのパーツを売ります」って叫んでいる冒険者を見たことがあるぞ。競売所でも取り扱ってくれない、いわくつきのモノらしいな。
リリ:マネキンはいろんな装備品が飾れるのよ。あとはキャビネットが置いてあるから、調度品の数は少ないけれど、意外に収納数は多いと思うわ。
パルダモルダ:キャビネットの属性値が高いから、応援は釣り(モノ)だね。
リリ:属性はさておき、この冒険者にはもう少し安らげる部屋作りを目指してほしいかな。
パルダモルダ:案外、この部屋が落ち着くのかもしれないぜ。マネキンを着替えさせたりな。

モーグリ:3枚目はバストゥーク所属のヒューム♀シーフQさんのお部屋クポ!

パルダモルダ:丸い缶みたいのが並んでいるな……。
リリ:これは錆びたバケツね。
パルダモルダ:雨漏りでもするのか?
モーグリ:この部屋のご主人さまは、モグハウスの床をキャンバスに、バケツを使って芸術作品を作るのが趣味クポ。
パルダモルダ:落ち込んでいる人の姿だな。
リリ:よくこんなにいっぱい、バケツ集めたわね。
パルダモルダ:錆びたバケツは、応援効果が釣り(モノ)なんだけど、この応援でさらに錆びたバケツが釣れやすくなるから……どんどんバケツが増える一方だと思うよ。
リリ:センスがいい部屋とは言えないけど、調度品にはこういう楽しみ方もあるんだって勉強になったわ。

モーグリ:今、持ってるスクリーンショットはこれで全部クポよ。
パルダモルダ: 3枚ともバストゥークのモグハウスなのに、まったく雰囲気が違うのには驚いたな。 リリ:いろんな部屋のスクリーンショットを見ていたら、なんだか自分の部屋の模様替えをしたくなったわ。
パルダモルダ:俺も、みんなをあっと言わせるような部屋を作りたいぜ。ミリオネラデスクとかロイヤルベッドとか置いて……リリの親父さんに頼んで作ってもらえないかな。
リリ:作るのはいいとして、材料を用意してね。
パルダモルダ:世知辛いな。
リリ:さて、今回の調査で、モグハウスの属性や応援のことがちょっとわかったわ。帰ったら、それを参考にして、新しい調度品の開発をしようと思うの。
パルダモルダ:リリもついに職人になるのか。俺もさらなる研究に励むぜ!
モーグリ:モーグリたちも、一生懸命、応援するクポ!
リリ:役に立つ応援をしてね。
モーグリ:それはご主人さま次第クポー!

text by Takashi and Asami Watanabe