Doggvdegg(820頃 - 863)
闇の王軍禿鷲軍団(オーク族第三軍団)の長。異名「王殺しのドッグヴデッグ」。

剣闘士あがりと伝えられるが、詳細な出自は不明。その名が初めて人間社会に知られたのは、851年、時のサンドリア王グランテュールが狩りの最中、警護の兵士十数人諸共、たった1人のオークに斬殺された事件である(後に事件を画策した反体制の旧東王派の貴族が捕まり、その実行犯がドッグヴデッグであったことが判明した)。

858年、新興勢力「闇の王軍」との戦い(百蛮戦争)に、オーク帝国軍禿鷲軍団(第三ノルバレン軍団)の斬込隊長として参戦。闇の王軍のデーモン兵を三百余も倒す獅子奮迅の活躍をみせたため、敗戦後は1年にわたりズヴァール城の地下牢に幽閉されていたようだ。その後、釈放されると、闇の王軍に編入された禿鷲軍団に復隊し、やがて軍団長に選出された。

862年、水晶大戦が始まると、サンドリア王立騎士団を巧みに森に誘い込み、伏兵を用いて撃破(ジャグナーの戦)。その余勢を駆ってロンフォールに侵入し、王都を3週間にわたって包囲した。

ドッグヴデッグは大柄なオークの中でも稀にみる大兵であり、しかもブガードに乗っていたため、彼が現れると独特の異様な足音が地響きと共に城内にまで轟き、王都の民を
毎夜震え上がらせたと云う。

その後も、禿鷲軍団を率いて、バルクルム、グスタベルグ、バタリア等の戦場を転戦したことが確認されているが、ザルカバード会戦においてサンドリアの名将フィリユーレを一騎打の末に倒したのを最後に消息を絶った(獣人側資料からも裏付けされている)。

人々には狡猾で獰猛な魔人として記憶されているドッグヴデッグだが、意外にもオークの中では仁義厚く慈悲深い戦士の中の戦士として記憶されているようだ。

Illustration by Mitsuhiro Arita