今回、ドリーマーズが挑戦するのは「迷子のチョコボクエスト」。
他国で保護されたチョコボを、チョコガールに代わって本来の厩舎まで連れ帰るのが目的だ。それほど難しくない仕事だが、到着までに要した時間が計測されるため、チョコボ騎乗の腕前を競うのにも適している。
はたして、ドリーマーズ最速の冒険者は、いったい誰なのか!?

参加冒険者:ドリーマーズのメンバー
Selfeilliget
獣Lv60/忍Lv30 通称ゼル
ドリーマーズのリーダー。いまいち仕切れない。

Abalard
忍Lv74/戦Lv37 通称アバ
仕事はきっちりこなすタイプ。時々悪乗りする。

Feneinei
黒Lv54/赤Lv27 通称フェネ
唯一まともに後衛をこなせるPTの命綱。

Yai
狩Lv53/忍Lv16 通称ヤイ
駆け出しでPT戦に不慣れ。

Bernwart
暗Lv52/黒Lv18 通称バーン
独断専行のトラブルメーカー。

Birp
ナLv50/忍Lv25 通称ビル
まだまだ新米記者。体験記の筆者。


――ゼルの緊急召集によって、ドリーマーズはウィンダス森の区に集合した。
久々に集まった一同。
これから何が起きるのか?

バーン:お久しぶりー。
ゼ ル:!? 第一声は俺が出そうと思ってたのに!
フェネ:ピース、ピース!!
ゼ ル:コラッ! みっともない。
ビ ル:ところでこんなところに集まって何をやるんですか?
バーン:クンクン。チョコボくさい。
ゼ ル:それなんだが……。
バーン:そうか、チョコボレースだ!!
ゼ ル:あ、先に言われた。
ビ ル:チョコボでレースができるんですか?
フェネ:正確には迷子になったチョコボを本当の厩舎に返すついでに、タイムを競うんだよね。
ゼ ル:また言われた。
ビ ル:なるほど、では誰がいちばんいいタイムを出すかを競うのですね。
バーン:そう!
ゼ ル:だーかーらー! 俺に話をさせろー。

――「迷子のチョコボクエスト」の概要を説明したゼルが、今回のルートを発表した。目指す目的地は、サンドリア王国だ。

ゼ ル:順位に関係なく好タイムを叩き出したやつには、チョコガールからいいものがもらえるらし
     いぞ。
ヤ イ:何がもらえるのかな?
フェネ:「ミラテテ様言行録」とかもらえるって聞いたよ。
バーン:アイテムもらったら早速使おっと。
ゼ ル:もう取った気でいるぜ。
ビ ル:取らぬ狸の皮算用ですね。
ア バ:ま、オレがいちばんだけどな。
ゼ ル:ふっ、口だけ野郎がっ!
ア バ:ふん、そっちこそ。
ビ ル:まーまー。そのパワーはレースにとっておきましょう。
バーン:むふふふ。
フェネ:何、笑ってるの?
バーン:勝利の瞬間をかみしめてるんだ。
ゼ ル:……こいつはほっといて始めよう。一斉に始めても仕方ないから、各自チョコガールに話し
     かけてくれ。ゴールタイムは自己申告だ。

チョコガール(Sariale)
このチョコボをサンドリア厩舎に送り届けてもらえないでしょうか?
ありがとうございます! お礼は向こうの厩舎の者から受け取ってください。よろしくお願いします。

ゼ ル:んじゃ、がんばるぞ〜。
フェネ:おー。
ア バ:おーっ。
ビ ル:はい。
ヤ イ:おおー。
バーン:むふふふ。

――レースは、こうして始まった。

ゼ ル:俺がいちばんだー。
フェネ:まずはあそこを目指してと。
ア バ:ふっふっふ。
ヤ イ:うーん。どうしよう。
ビ ル:まずはマップを確認。
バーン:えりゃーーーっ。

――チョコボで移動する場合に要する時間は、すべて騎手の知識と技術にかかっている。どのようなルートを選択するか? チョコボを確実にコントロールできるか? そして障害となるモンスターたちをいかに避けるか? これらの要素が複雑にからみあって、タイムは決まるのである。
華麗(?)にチョコボを駆るゼル

■ゼルの作戦
作戦名:猪突猛進
綿密な作戦は立てず、直感で最短と思うコースを選択する。
モンスターや障害物は華麗によけるつもり。

■アバの作戦
作戦名:スリップストリーム
自分以外の5人で誰が最速かを冷静に分析。
フェネをターゲットに、徹底して追従することに決定。

■フェネの作戦
作戦名:チャンピオンロード
「迷子のチョコボクエスト」は何度か経験があり、コースも熟知している。
素人同然のライバルなど眼中になく、自己最短記録を目指す。

■ヤイの作戦
作戦名:えーっと(無計画)
突然の召集で「迷子のチョコボクエスト」を初体験することになったため、動揺を隠せない様子。
とりあえず、誰かの後ろをついていくことに。

■バーンの作戦
作戦名:禁断の秘儀(???)
最速タイムを弾きだすための大技を考案。
詳細は「ひ・み・つ。ヒントは最短ルートだよーん」とのこと。

■ビルの作戦
作戦名:急がば回れ
チョコボ騎乗の腕はともかく、ウィンダス近辺の地理にうといのが弱点。地図を確認しながら堅実に進み、後半での怒涛の追い上げを狙う。

――各々の作戦の明暗は、スタート間もないタロンギ大峡谷で分けられることになった。
無謀にもバーンについていった
ヤイの運命は?

ゼ ル:げっ、崖から落ちて遠回り確定だ!!
バーン:近道しよっと。
ヤ イ:近道なんてあるの?
フェネ:んーないはずだよ。新しく発見したのかな?
ヤ イ:ついていってみよう。
ビ ル:マップ、マップ。

――そして、日が暮れた頃にレースは終了した。

優勝(28分03秒)
フェネ:ヤッタァー!

準優勝(28分06秒)
ア バ:悔しい……。
フェネ:だってアバってば、ついてきただけじゃない。

3位(30分17秒)
ゼ ル:なんで俺が1番じゃないんだ?

4位(30分44秒)
ビ ル:こんなものですかね。

リタイア (徒歩で到着)
ヤ イ:途中でチョコボがどこかに行っちゃったよ〜。
ゼ ル:それにしても、チョコボ厩舎がくれたのが「ギサールの野菜」とは……。
フェネ:私は「ミラテテ様言行録」!
ア バ:あ、オレもそれもらった。
ビ ル:ところで、バーンさんはどうしたんでしょう。姿が見えませんけど。
フェネ:どうしたのかな?
ア バ:あーどうせズルしようとして迷子にでもなったんじゃないの?
ヤ イ:ブブリム半島までは一緒だったよ……。
ゼ ル:ブブリム? マウラに向かったのか、アイツ。
ア バ:船に乗ろうとしたのかな?
ビ ル:かえって時間かかりませんか?
フェネ:そもそもチョコボに乗ったまま町には入れないと思うんだけど。
ビ ル:探しに行きましょうか?
ゼ ル:いいよ、探さなくて。自業自得だし。

同時刻のラテーヌ高原
バーン:ホラの岩でチョコボを再ゲット完了!! まってろよサンドリア〜!! ブッチギリだぜ〜〜っ!!

教訓:ちゃんと迷子のチョコボを届けましょう。

――冒険者たちの間で1秒を争うデッドヒートが繰り広げられている「迷子のチョコボクエスト」。区間ごとの所要時間を確認できるようになったことで、よりシビアなコース選択が求められるようになっているそうだ。

願わくば、この報告がいまだ「迷子のチョコボクエスト」を体験していない方の一助とならんことを……。


Illustration by Mitsuhiro Arita