10月1日 天気:晴ときどきスコール

[今日の仲間]
Ema-Pagamihne(ミスラ・白魔道士)通称エマ
Fuuki-Maruki(タルタル・黒魔道士)通称フーキ

今日のお弁当
現地調達?

エマに誘われて、キノコ狩りにいくことになった。
暇そうだったフーキも一緒。

エマは戦うときに、よくキノコ料理を食べる。
塩焼きとかスープとかのキノコ料理を食べてると、思いっきりホーリーとかフラッシュ撃って殴りまくりでも、なぜか敵に目をつけられることが少なくなるらしい。

「エマさん、キノコの塩焼きはMNDが上がるから白魔道士にはいいみたいですよ」

「MNDはどうでもいいんだけど、敵対心が下がるのはうれしいわね」

エマはあんまり難しいことは考えてないけど、フーキの言うとおり、MNDが高いとスロウとかパライズとかの弱体白魔法が効きやすくなっていいみたい。

キノコ狩りって、ジャグナーとかクロウラーの巣にいるキノコのモンスターを狙うのかと思っていたら、なんと、エルシモ島には敵と戦わなくてもキノコを採れる場所があるらしい!
でも、草刈鎌が必要なんだって。
草刈鎌をウィンダスの雑貨屋さんで買ってから出発した。

飛空艇を乗り継ぎ、カザムに到着。
カザムにはミスラの友達もいっぱいいて何度か来てるから、町の中の地理はバッチリ。
問題は町を出たところから広がっているユタンガ大森林なのよねー。
とりあえず、町の中でウェザーリンクシェルを持った人に天気予報を教えてもらった。
今日も明日も、晴れときどきスコール!

エマ情報だと、ユタンガのキノコは、雨が降っているときしか生えてないんだって。
ヨアトル大森林でもキノコ狩りができるみたいなんだけど、ここも雨のときだけ。
乾季だとなかなか雨が降らなくて、キノコ狩りには向かないみたい。
このあたりは、夏のあいだが乾季で、10月頃から少しずつ雨が増えてくる様子。
でも、こんな広いジャングルじゃ、どこにキノコが生えるのかぜんぜんわからないよー!

エマの案内でチョコボで迷路のように入り組んだジャングルの中を探索。
通路の行き止まりに水たまりがあって、そこでエマはチョコボをおりた。
行き止まりの壁には大きな木の根っこが這っている。

「雨になると、こういうところにキノコがニョキニョキ生えてくるのよ」

釣り好きのフーキは、さっそく水たまりに釣竿をたらしている。

「こんなところに魚いるの?」

「うーん、ここで釣りをするのは初めてだからまだわかりません。でも意外に水はきれいですよ」

そのとき、いきなりザーッという音とともに、すごい勢いで雨が降り始めた。

「キノコ出てきたー!」

「魚かかったー!」

白いキノコが本当にニョキニョキと生えてきた。
ネムリタケ、マヨイタケ、オドリタケ、サケビタケ……5分程度で雨はやんでしまったけど、何個か収穫できた。
フーキのほうは、森ブナが釣れたみたい。

キノコが生える場所の特徴はわかったから、今度は3人別々の場所に張り込んで、また雨を待つことにした。なかなか降らなくて、フーキの釣った魚の数が増えていく。
しばらくして、2回目の雨がきた。
3人でどんどんキノコを刈り取る刈り取る!
私はパフボールをゲット。このキノコ、おいしいんだよねぇと、クンクンにおいを嗅いでいたら……

「こ、これは……キ、キングトリュフかも!」

フーキが見慣れないキノコを見つけたらしい。
キングトリュフといえば、競売でも高値で取り引きされている超高級キノコ!
私はまだ料理で使ったことはないけど、ギルドで教えてもらえる高級レシピに、キングトリュフを使うのがあったような……

いくつかキノコを採ると雨はやんでしまったので、いったん集合。
数えたらそこそこの量が集まっていたので、今回は撤収することにした。
ウィンダスに戻って、調理ギルドでキングトリュフを使ったレシピを教えてもらう。
王国風オムレツ、ヘッジホッグパイ、スズキのクルート、ブレインシチュー……。

「ブレインシチューってINTが上がりそうな名前ですね!アリィさん、僕、食べてみたい!」

「イエローグローブ使ってるんだ。毒は大丈夫なのかしら?しかも、ゴブリンの伝統料理らしいわよ」

う、ちょっと心配。
でも、ほかの材料は保存してあるものばかりだったから、いざ挑戦……無事、成功〜!
においはおいしそうだけど、見た目は脳みそみたいでとても気持ち悪いよコレ……。
でも、そんなことにはお構いなく、さっそくフーキが試食。

「うわー、INTもMNDもすごく上がった! しかもなんだかカラダが軽くなったような気がしますよ!」

どうやら、黒魔道士にはぴったりの食事だったみたいでよかったよかった。
ほかのキノコもエマ用に料理しなくちゃね。

text by Takashi and Asami Watanabe 
Illustration by Mitsuhiro Arita