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11月1日 天気:晴ときどき熱波
[今日の仲間] Jetsam(ヒューム・シーフ)通称ジェット Daggwi(ガルカ・ナイト)通称ダグウィ 今日のお弁当 ダルメルパイ ダグウィが、新しい鎧を買って金欠ぎみらしい。なにか手っ取り早く稼げる方法はないかなぁ……というわけで、その手の情報に詳しそうなジェットの引率で、オズトロヤ城探索に行くことに。 オズトロヤ城はメリファト山地の東側……ドロガロガの背骨の付け根の近くにある、ヤグードたちの総本山。ドロガロガの背骨っていうのは、メリファトの上空を東西に横切る、骨のような形のとても大きなオブジェなんだけど。あたし、この“ドロガロガ”っていう言葉がなんか覚えられなくて、いつも“ドロガルカ”って言っちゃうのよねー。「泥ガルカとはなんだ!」って、いつもダグウィに怒られてるような。 さて、オズトロヤ城。あたしもまだ弱かった頃は、ここで何度か修羅場を体験したな〜。初めて来たときは、国からの任務でアジドマルジド院長を探しに来たのよね。エマと2人で来たものの、ヤグードが強すぎて逃げまわってたんだった。 あれからだいぶ強くなり……今では4階以外のヤグードは、あたしのことを見て見ぬふりしてくれる。でも、あたしにとってここの城の本当の敵は、ヤグードじゃなくて、城の構造。城内は仕掛け扉がいっぱいあるし、見た目がそっくりな庭が2つあって迷子になっちゃったり。今回は、ジェットが案内してくれるから安心。 ジェットは、以前オズトロヤ城に住み込みで働いてたらしい。と言っても、もちろんジェットがヤグードの手下だったりしたわけではなく……オズトロヤ城の中でたま〜に見かける宝箱の中に入ってた指輪で、ひと儲けしてたんだって。今はもう、その指輪はオズトロヤ城で発見されなくなってしまったのだそうだけど。その代わり、今はヤグードたちが持っている魔法書とか忍術書が、高く売れて狙い目だとか……今回はそれを狙うことに。 どうやら、地下にいる忍者ヤグードが、火遁の術:弐とかの忍術書を持っているみたい。地下ってことは……ここの仕掛け扉の落とし穴から行けるかな?ここのハンドル、うまく開くこともあるんだけど、あたしが引くといつも落とし穴なのよね……えいっ。 ドテッ! 「アリィ!大丈夫かー?」 「あ、言い忘れたけど、地下は2階から行くんだぜ」 勢いよくハンドルを引いたら、やっぱり落とし穴だったし!……言うの遅いし!うろ覚えで先陣きるもんじゃないね……急いで1階に戻って合流。 「ここの扉はなぁ……、こうやって2つのハンドルの中心に立って……、回したらすぐに前進して扉に密着すれば、落とし穴に引っかからないから覚えとけよ!」 おおー、これぞ盗賊の知恵?ダグウィに、俺も知ってたよ……と冷たい目で見られつつも、第1関門突破。そのあとは順調に第1目的地の地下フロアまでたどり着いた。 火遁、土遁、水遁、風遁、氷遁、雷遁……と、ここで狙うのは6種類だけど、ジェットの経験上、全部が揃うまでやるのは得策ではないんだって。どれも、入手できるチャンスは同じぐらいなんだけど、その日の運によって片寄りが出てくるらしい。で、この忍術書は貴重な物なので、4種類ぐらい揃ったら、あとは粘らずに切り上げたほうが、無駄が少ないのだそう。3人だったから結構時間はかかったけど、忍術書を1人5つずつ集めることができた。 その後は、手強いヤグードがいっぱいいる4階に行くことに……。4階では、黒魔道士ヤグードからトルネドとかエアロ系の魔法をゲットできるみたい。途中、レバーの仕掛けを解いたりしながら、4階へ。ここは、モンスターとの戦いを極めた冒険者でも襲われちゃう。1体ずつはそんなに強くはないんだけど、束になってかかってこられると、ちょっと自信がないのよね。なにせ今日は、戦士、シーフ、ナイトの3人組だから、スリプルもララバイも使えないし。もし複数相手になっちゃったら、スリプルボルトを撃ち続けて、耐えしのぐしかない。 1体ずつ慎重に倒していくと……いくつか魔法書を落としたけど、ちょっと相場は安めのみたい。でも、ジェットが調子よくヤグードから獣人金貨を盗めてて、いい感じ。これもけっこう高く取り引きされてるのよねー。今日の稼ぎは、売り上げを合計して3人で分配する予定。いっぱい盗んでくれれば、それだけあたしとダグウィのおこづかいも増えるってわけ。しばらく戦っているうちに、宝箱を発見!
「ここは俺に任せとけ!」 「今はあんまりいいもの入ってないって言ってなかった?」 「前ほどはおいしくないけど、今でも一応、取れれば数万ギルにはなるぜ」 ジェットがシーフツールで開錠に挑戦すると、なんとミミック!少し戦ったけど手強くて、3人で倒すのは大変そう……悔しいけど、テレポで脱出。うーん、サポートジョブを白魔道士にしてきてよかった。 時間もちょうどよかったので、今日はここで解散。ダグウィの金欠は解消されるかな〜? text by Takashi and Asami Watanabe
Illustration by Mitsuhiro Arita |