その、美しき世界
バストゥーク共和国


クォン大陸の南方に、技術に長ける民ヒュームが建国したバストゥーク共和国。

伝説ある騎士団を持つサンドリア王国、魔法大国ウィンダス連邦などに
くらべるとその歴史は浅いが、ヒュームの産業に対する臭覚が
バストゥークの急速な発展をもたらした。

数年毎にヒュームの中から選出される大統領が、主導的に国政を担っている。

元々は希少金属ミスリルの鉱山から発達した街だったが、
金属の精製や加工が盛んになった昨今では、むしろ工房都市として名高い。

街の南部には、腕力に秀でたガルカ族が多く住み、
採掘や鉱山開発に大きく貢献しているが、ヒュームとの間にある確執は根深い。

周辺には、草木も生えぬ厳しい大地グスタベルグが広がっている。






バストゥークでの暮らし

文化

鉄の精製だけでなく、ミスリルやダーク、サーメットのような新金属の開発にも熱心です。
昨今では、天才技師シドの登場によって、クリスタルエネルギーを利用した発動機も使われるようになり、技術進歩に拍車がかかっています。ガルカ族の豊かな精神文化は、ヒューム族の物質文化に同化されて急速に失われつつあり、今では、バストゥーク文化=ヒューム文化と言っても過言ではありません。


生活水準

近年、最も人口増加(もっぱらヒューム族)が著しい国ですが、渓谷の中にある三角州にしか住居を建築できないため、一般的な民家は皆狭く、居住環境は御世辞にも良いとは云えません。
また、鉱物の輸出で得た潤沢な資金によって、大量に食料が輸入されてはいるものの、全ての民が豊かに生活できるレベルにはほど遠く、元々作物が育たない地域なので、食糧不足も深刻な問題になりつつあります。


風土

一年を通して雨の降ることがほとんど無い共和国領は、地下水の集結する首都バストゥークを除いては、荒涼とした大地が広がる不毛の地です。作物もイモ類以外は殆ど育たず、食料の多くを輸入に頼っています。
ただ、代わりに、銅・鉄・銀・金・ミスリルを始めとする鉱物資源には恵まれており、共和国の富の源となっています。



バストゥークの軍事力

軍制

共和国の軍隊は、その多くが大統領を最高司令官とする市民軍であり、その中核である共和軍団も、徴兵された(志願した)共和国市民や冒険者等、職業軍人でない人々によって編制されている。


共和軍団

軍務省の戦略指令局が管轄する軍団。共和国軍の主力であり、全4個軍団が存在する(うち、ひとつは海軍)。
軍団は、10名の歩兵からなる小隊、十人隊(指揮官は十人隊長)を最小単位としている。その十人隊が10隊集まって、百人隊(指揮官は百人隊長)、さらに百人隊9隊に工兵隊を加えて、千人隊(指揮官は千人隊長)が編制される。そして、この千人隊7隊に、重装歩兵隊と砲兵隊もしくは騎兵隊、さらに輜重隊、合わせて3千名ほどを加えて、1個軍団が編制されているのである(指揮官は軍団長)。つまり、計算上、共和軍団の兵力は4万人近くに達し、その数は他の人間諸国と比べても抜きん出ていることになる。

ただし、これにはからくりがある。平時、陸軍の1個軍団と海軍の1個軍団が現役を務め、残りの2つの陸の軍団は、十人隊長以下がすべて予備役となっているのだ。しかも、兵役が免除される様々な方法も用意されているため、実際に軍務についている兵士の数は、現役軍団中でも規定の3分の2にも達していないのが現状である。

また、兵役を誰かと代わってもらうことも認められているため、困窮したガルカが報酬と引き換えに肩代わりしているケースも多く見られる。ただ、結果として彼らは職業軍人に近い存在となり、皮肉にも軍団の能力は底上げされている。


鋼鉄銃士隊

工務省の街道護衛局の管轄に常設された部隊。工業に関する行政事務を主管としていた工務省によって、通商ルートの護衛を名目に設置されたが、現在はクゥダフ対策に派遣されることが多い。隊は、銃士隊長を筆頭に、正銃士10名と准銃士30名によって編制され、全部で100隊程存在する。

隊員は、共和軍団からスカウトされたエリート兵たちであり、最新の銃装備を支給されている上、獣人との実戦経験も豊富なため、その戦闘能力は極めて高い。


黄金銃士隊

鉱務省の鉱脈調査局の管轄に常設された武装調査隊。有望な鉱脈の発見を目的としており、他国領はもちろんのこと、獣人の支配地にまで隠密で足を伸ばすが、時には威力偵察することもある。

補給はおろか、連絡さえ困難な僻地や敵地での行動を余儀なくされるため、各隊・各人は独自に判断して動けるように厳しく訓練されている。その編制は鋼鉄銃士隊と似ているが、総数は60隊程度である。