その、美しき世界
高地エルシモ地方

エルシモ島の東部、比較的海抜の高い地方。北部の火山地帯をのぞき、そのほとんどが鬱蒼とした見通しの悪い熱帯雨林に覆われている上、獣人中最も残忍と呼ばれているトンベリのテリトリーであるため、冒険者以外にこの地を訪れる人間はいない。


ヨアトル大森林

高地エルシモの大部分を占める熱帯雨林。ユタンガ大森林と植生はほぼ同様であるが、こちらの方が、やや高地に位置している。この辺一帯は、トンベリのなわばりとして知られており、昔のミスラの狩人は、獲物がここに逃げ込んだら、自ら死を選んだ、として深追いをやめたと云う。


ウガレピ寺院

エルシモ島東部の鬱蒼とした密林の中に、何者かが巨石を用いて建立した古い寺院。トンベリがここに邪神ウガレピを祭っているため、カザムのミスラは、ここを「忌み寺」と呼んで怖れ、決して足を踏み入れようとはしない。石組みには高度な技が用いられていたようだが、今では無数の木の根が壁に食い込み、建物自体を緩やかに崩壊させつつある。


怨念洞

トンベリによってウガレピ寺院の地下に掘られた洞窟。彼らがここを掘る際、呪詛の言葉を唱えながら、つるはしを振るったため、洞内の壁面には怨念が染み込んでいると云われている。毎夜、ここでは人間に対する復讐を誓う、トンベリの決起集会が開かれており、全員が自らを傷つけて祭壇に血をかけ、怨みを新たにしている。


イフリートの釜

エルシモ島を形成した火山「ユタンガ山」の火口。ガス生命体である「ボム」の誕生する場所として知られる。彼らに噴火を防いでもらおうと、カザムのミスラによって、昔はここに生贄が奉げられていた。ここに到るガスの道は、火山ガスが充満しているため、長時間の滞在は大いに危険を伴う。