その、美しき世界
ノルバレン地方

現在、サンドリア王国が自国領として主張している、モシュリー半島の一帯。実際、エルヴァーン族の聖地エルディーム古墳を始めとして、彼らに由来する場所が多い。アシャク山脈の豊富な水源を背後に有する鬱蒼としたジャグナー森林と、クリスタル大戦時に防壁構築のため、木々が伐採し尽くされたバタリア丘陵とでは、景色が大きく異なる。


バタリア丘陵

二十余年前、アルタナ連合軍と獣人連合軍との会戦『ジュノ攻防戦』が戦われた古戦場。到る所に築かれた土塁跡が、当時の激戦を今に伝えている。北方には、アシャク山脈の切り立った崖がそびえたち、侵入者を防ぐと同時に冒険者を拒んでいる。また、東方にはジュノへ到る巨大な橋『工房橋』がかかっている。


ジャグナー森林

サンドリア王国の東方に広がる、昼なお暗い広大な森。かつては死をもたらす危険な森として、足を踏み入れる者すら稀だったが、クリスタル大戦後は、森を東西に抜ける街道が作られ、商人や旅人が頻繁に往来していた。しかし、昨今の度重なる獣人の襲撃によって、傭兵団を連れた大規模な隊商でも無い限り、この森の横断は困難となり、再び死の森に戻りつつある。


エルディーム古墳

元々は、古エルヴァーン族が少しでも女神アルタナに近づこうと築いた塚山で、コヴェフ墳墓群のひとつ。サンドリア教会では、最期の時をこの塚山で迎え、埋葬されることを無上の幸福と定義しているため、当地を訪れた多くの信徒によって地下に広大な墓地が築かれてきた。さらに、クリスタル大戦時、この地で激戦が繰り広げられた際、おびただしい戦死者が地表に合葬されたため、古墳は墓標が針山のように立ち並ぶ、現在の姿となった。


ダボイ

ダボイは、丘の上に小さな美しい修道院が建つ、素朴なエルヴァーン族の村だったが、十数年前、オーク軍残党の焼き討ちにあい、修道僧たちは皆殺しにされ、村は占領下におかれた。その後、地下のじめじめした修道窟や防衛に適した地形が気に入ったオーク族は、そのまま住み着き、いつしか村は復活したオーク軍の基地となった。この地を奪還することは王立騎士団にとって悲願とされているが、喉元とも云えるゲルスバ山すら占拠されてしまった昨今では、大規模な作戦行動もままならず、もっぱら冒険者の義勇軍に頼っているのが現状だ。