全土を岸壁と砂丘が占める荒涼とした半島。昔はザルクヘイムと自由に往来できていたが、大戦中、謎の地殻変動により切り立った山々が間にできてしまい、隔てられてしまった。
ヴォルボー半島から南のゼプウェル島に向かって、剣のように突き出した岬。この地に定住する人間や獣人は皆無だが、突端に広がる遠浅の砂浜は、沿岸生物にとっては最適の環境であるため、無数の陸ガニや陸魚、そしてそれらを捕食する少数のラプトルが棲息している。
はるか昔、アンティカの軍勢に追われたガルカの民が、クォン大陸に脱出する際に通ったとされる海底洞窟で、西アルテパ砂漠からヴォルボー半島に抜けることができた。ただし、当時このルートをたどったガルカの部族は、途中、流砂の道をたどって先回りしたアンティカ兵に、先頭の子供や老人が襲われてしまい、コロロカの洞門の惨劇を上回るおびただしい犠牲者を出した。
一説によると、ガルカが発見したと思っていたこの洞門は、トンネル掘りの得意なアンティカが予め用意していたもので、屈強なガルカがしんがりを担うことまで見越して、巧みに誘導したらしい。
ヒュームの山師グスタフが、その生涯をかけて、有望なミスリル鉱脈を探し求めた夢の跡。地下水が染み出したり、砂が流れ込んだりして、作業は難航を極めた末、仲間にまで裏切られて、結局彼は目的を達することはできなかった。しかし、彼の掘った坑道が、図らずもザルクヘイムとヴォルボーをほとんど貫通していることに後の人が気づき、グスタフは後世に名を残した。
クフタルの洞門でアンティカの奇襲にあい、散り散りになったガルカの一支族が迷い込んだ谷。
やがてアンティカの大軍に追い詰められた彼らは、子供だけを逃がし、全員ここで討ち死にした。後に、引き返してきて家族の最期を知った子供たちの泣き声は、いつまでも谷に木霊したという。
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