MPK対策
from FINAL FANTASY XI 開発チーム(2005/12/08)


ファイナルファンタジーXIは、それ以前のMMORPGで主流であったPK、すなわちプレイヤー同士が互いを攻撃できる仕様や、戦闘中のモンスターを横取りするキルスティール(KS行為)などをハラスメント防止の観点から排除し、モンスターをパーティによって独占した状態で戦闘できるようにして、これら過去のMMORPGでの最も大きな問題点を解決するべく各種仕様が設計されてきました。

これにより、ファイナルファンタジーXIにおけるプレイヤー間での争いは、プレイヤー同士の直接的なトラブルよりも、アイテムやモンスターの取り合いなどに起因する間接的なものが中心となっています。

これまでのバージョンアップによって、プレイヤー間でのトラブルの元になりやすかった一部の競争の激しいアイテムの代替品によるEx/Rare化や、ノートリアスモンスターの出現方法の変更、規約違反に相当する各種外部ツール対策などを行ってまいりました。また、各種印章戦やバトルフィールドなどの追加も、こうしたプレイヤー間の争いを回避する施策の一部でもあります。

また、トラブル回避のために、2005年8月2日のバージョンアップにおいて、以下の仕様変更を導入しています。

・コマンド「/blockaid」の追加 >>*1(詳細は後述)
・ブラックリストに載っているプレイヤーからのトレード受付排除
・出現直後に敵対行動でモンスターを占有することができないタイミングの設定 >>*2(詳細は後述)

ただしMMOというゲームの性質上、他のライバルプレイヤーとの競争などもオンラインならではの醍醐味であり、ゲーム性の一部でもあることから、全てを他者から完全に隔絶したものにする予定はありません。また、不慮のトレインなどモンスターによる状況変化も、他のプレイヤーの起こした行動が他のプレイヤーに影響を及ぼすことであり、良いことも悪いことも全てゲーム性の一つと考えて、プレイヤー間で対処し問題解決するべきこともある程度必要であると考えられます。

しかしながら最近では、一部の心ないユーザーにより、これらのシステムを悪用したハラスメント行為、とりわけMPKと呼ばれる行為によって、モンスターの敵対心を利用して、嫌がらせのために他者を攻撃させて妨害する行為が問題になっています。
こうした過度の嫌がらせ行為について、GMチームでは事実確認に基づく対処を行っていますが、故意によるものか事故によるものかの判断は、会話ログやアクションログからだけでは難しい場合が多く、また当事者双方の意見が食い違う場合もあり、どちらか一方の主張のみで処分を決定することができない、つまり予測に基づいて動機を決めつけてしまうことはできないわけです。そのため、GMの視認によって実際に行為を確認できた場合が処分の中心にならざるを得ないのが現状です。こうしたことから、プレイヤー間だけで解決できる状況ではない場合が増えているため、ある程度ゲーム性を変えてでも、システム側で解決しなければならない問題と判断いたしました。

そこで次回のバージョンアップでは、以下のようなシステム変更を導入いたします。

・モンスターが、そのモンスターの本来の生息域以外の場所で戦闘を行った後、戦闘の目標となっていたプレイヤーが戦闘不能あるいはそのエリアからいなくなった場合は、近くに別のプレイヤーがいてもそちらに攻撃対象を移すことなく、その場で消滅するようになります。

ここでいう生息域とは、戦闘していない状況でモンスターがうろつく範囲をさします。またそのモンスターは消滅後、短時間の間に本来の生息域範囲内に再出現します。ただしこの消滅&再出現のプロセスはいわゆるノートリアスモンスターには適用されません。また再出現時に代理モンスターなどの出現を再判定することはなく、消滅したモンスター自体が再出現することになります。

・バインドによって足止めされているモンスターが、現在対象となっているパーティ/アライアンスのメンバー以外のプレイヤーに攻撃を与えることがなくなります。

こうしたシステム変更後も引き続き、他者に対する嫌がらせなどを目的としたハラスメント行為は、GMによる処罰の対象となります。またプレイヤー間のトラブルについて、GMがどちらか一方の意見だけで処分を決定することはありません。可能なかぎり相手と話し合いによって解決できるよう、プレイヤーの皆様のご理解とご協力をお願いいたします。


■本件に関する、2005年8月のバージョンアップ内容■

*1 /blockaidコマンド
コマンド「 /blockaid 」が追加されました。

・「 /blockaid 」の効果
パーティやアライアンスに所属するメンバー以外のプレイヤーからケアルなどの回復魔法やプロテスなどの補助魔法、トレード、パーティ勧誘を受けつけなくなります。

※プレイオンラインビューアーへ一時的に戻る/ログアウト/エリアチェンジ/戦闘不能 のいずれかを状態を経た場合、「 /blockaid 」の効果は無効になります。有効にするためには、上記行動を取った後に再度コマンドを入力する必要があります。

・「 /blockaid 」の使用方法
  /blockaid on
   ブロックエイドの効果を有効にする
  /blockaid off
   ブロックエイドの効果を無効にする
  /blockaid
   現在のブロックエイドの状態を確認する

*2 モンスター出現直後の挙動
モンスターが出現した直後に、敵対行動でモンスターを占有することができないタイミングを設定しました。 そのタイミングで敵対行動とみなされるアビリティや魔法を使用した場合、それらが再使用可能になるまでには一定時間がか かります。