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はーい、フレミラでーす。
あれ?
あたしのこと忘れちゃった?
ほら、お城の門のところで会ったでしょ。
アシェラ姫さまを探してたとき、あなたに会ったわ。
覚えてない?
今日はちょっと面白いものを手に入れたのよね。
「……それ、なに?」
ちょっとシンシア。
いきなり来て、取っていかないでってば。
「グレンエス様の日記……」
そう。
あたしたちの上司、麗しのメイド長こと、グレンエス様の日記!
しかも、12年前のだから、16歳のときね。
あたしたちと同じくらいの歳ってわけ。
「12年前……。わたし……3歳」
誰もあんたの歳なんて聞いてないわよ。
どうやらグレンエス様が、お城にあがった頃の日記みたいなの。
ねぇねぇ。興味ない?
「……ある。けど……危険、だよ」
危険? なにが?
あのおっかないグレンエス様の若かりし頃の日記なのよ。
もー、楽しみで楽しみで。
ひょっとしたら、コイバナとか書いてあったりして!
「あなたを楽しませるために書いたわけではないのだけどね」
ひゃ!?
「フレミラ! ちょっとこっちにいらっしゃい!」
えええー。グ、グレンエス様! いつの間に!
こ、これは違うんです。
違うんですってば。誤解です〜〜〜〜〜っ!
お仕置きはいや〜〜〜〜〜っ!
「ほら、危険だった……」
アドゥリン城のメイド長・グレンエスの若かりし頃の日記は『こちら』。