星芒祭2015 〜ぼくらの星芒祭〜 (2015/12/11)

街中を鈴の音が踊る季節がやってきました。

星芒祭──
それは、一年でいちばん賑やかで華やかな冬のお祭り。

けれども今年は少しばかり準備に遅れがみられるようす。

そのことに心を痛めていたのは、おとなたちだけではなく、
赤い頬をして街中を走り回る子どもたちもまた同じだったのです。

そして、ウィンダスの都では星芒祭の準備の遅れを取り戻さんと、
遂に「彼ら」が立ち上がったのでした。

「あいつらは、テヌキをしようとしているんだ!」
そう言い放ったのは、
我らがスターオニオンズ団の団長であるタルタル男子のコーロラコロだった。

スターオニオンズ団は、
ウィンダスの聖都(の港の倉庫裏)に本拠地を構える正義の一味である。
その構成員は、ただ一人の例外であるオトナを除き、
全員がタルタル族とミスラ族の子どもであった。
団の理念は、悪いオトナたちに正義の鉄槌を下すことだ。

「あいつらって、だあれ?」
倉庫裏で団長の話を黙って聞いていたミスラ女子のヤファ・ヤーが尋ね、
向かいに立っている参謀役のパポーホポーが答えた。
「オトナたちに決まってるだろ」
「わるいオトナなのね?」
ヤファの言葉に、団長が頷いた。
「そのとおり! わるいオトナたちだ」

「はい! 質問ニャー! だんちょー、テニキってなんニャー?」
「テニキじゃない、テヌキだ」
ピヨ・ンゾンの言葉をパポーホポーが訂正する。
「食いもんか?」
ゴマダヴルマダがぼそっと言って、パホーホポーが首を横に振った。
「テニキでも、食いものでもないってば! 実は──」
コーロラコロ団長は世界の秘密を打ち明けるかのように声を潜めた。

「アイツらは、星芒祭をプレゼントだけで済ませようとしているんだ」
「ぷれぜんと! それって、あの四角い箱に入ってて、リボンがかかってて、
赤い帽子をかぶったボウケンシャさんたちがくれるヤツでしょ!
うわ〜、今年もくれるんだぁ……」
夢見る瞳でヤファが言って、
「なんであいつら、毎年毎年、
自分たちがボウケンシャだって、ばれてないって思ってるんだろうな」
パポーホポーが、世の中の真理を垣間見た男の子の声で言った。

「今はプレゼントの話をしてる場合じゃないんだ」
コーロラコロは団員たちを辛抱強く諭した。
「アイツらは、街の飾りつけもいいかげんで済まそうとしているし、
きれいな花火も、おいしいお菓子もなしで済まそうとしているんだ!」
「そんニャー!」
「おかしなし! うそぉ!」
団員たちが一斉に抗議の声をあげる。
最年少のピチチは、すでに涙目になっていた。

「うん。みんなのムネンはよくわかる。
かざりつけなし、おいわいのケーキもなしなんて、
そんなテヌキの星芒祭なんて僕らは認めない。
だから、スターオニオンズ団は、
正義の味方らしい手をつくした星芒祭、というのをオトナたちに見せつけるべきだって思う」
コーロラコロはそう言ってにやりと笑みを浮かべた。

「正義のみかたっぽい星ぼう祭ー?」
「って、どーするニャー?」
「僕に考えがある。
というわけで、みんなセイレーツ! 「スターライト作戦」開始だ〜!」
「おー!」
「おおおー!」
「ヤー!」
「おっおー!」

そして、コーロラコロは秘密指令を団員たちに告げたのだった。

彼らは、まずは手の院に行った。
カーディアンたちを片っ端から捕まえ、金銀のオーナメントで飾りつける。

「ワタシタチ★キラキラ〜♪ オマツリ★クルクル〜♪」
星の言葉で歌いながら、くるくる回っているカーディアンたちを見て、
手の院の院長が悲鳴をあげた。
「だあれ! この子たちをキンキラキンにしちゃったのは!?」

モグハウスのなかでくるくる回るモーグリのように、
キラキラ飾り付けられて回るカーディアンたちは、
まるで星芒祭のイルミネーションのようにきれいだった。

「まだまだ、こんなもんじゃすまないぜ!」
スターオニオンズ団が次に狙ったのはチョコボの厩舎だった。

チョコボたちの鶏冠に赤い靴下を帽子代わりに被せ、
鞍には、絵の具で色鮮やかに模様を描いた。
星芒祭カラーに染まったチョコボたちを見て、冒険者たちが目を丸くする。
「えっ!? まさか、これで街道を走れっていうの!?」

こうしてスターオニオンズ団は、次々と作戦目標を攻略していった。
さらにこれらすべてを、正体を隠すために(正義の味方は変身するものなのだ)、
星芒祭の正装姿で行った。
当然、大人たちにばれる。ばれないわけがない。

だが、スターオニオンズ団の理解者もいたのである。
それは最初にカーディアンを星芒祭カラーに染められた手の院の院長アプルルだった。
「あの子たち、寂しかったんだと思うわ」
子どもたちに雷を落とすべく『ララブのしっぽ亭』に集まっていた大人たちに向かってアプルルは言った。

「ねえ、今年はみんな慣れちゃって、星芒祭の準備もおざなりだったでしょ。
贈り物は冒険者さんたちに任せちゃったし。
あの子たち、もっと賑やかな星芒祭にしたかっただけなのよ」

大人たちは、アプルルの言葉にはっとなった。

「だからあの子たち、一生懸命に街を飾りつけているんだと思うの。
そりゃ、ちょっとやりすぎのところもあるけど、
もうちょっと見守ってあげましょう。
あの子たちなら、きっと立派に街を飾り付けてくれるわ。
それを見てから判断してあげましょうよ」

アプルルと彼女のカーディアンたちが見守っているとも知らず、
スターオニオンズ団はウィンダスの都中を駆け回った。

かしこいパポーホポーは、魔法新聞社のスクープ欄をスターオニオンズ団による星芒祭奮激記事に差し替えてみせた。

腹ぺこゴマダヴルマダは、『ララブのしっぽ亭』秘蔵の漬物樽にメープルシロップを流し込み、新感覚のスィーツを作った。

ピチチは、『帽子のバレンモレン』のすべての帽子を、とびきりかわいいビーズで飾り付け、
ヤファは、各国の領事館の入り口に全自動クラッカーを仕掛けてのけた。

そして、ピヨは団長とともに、ダルメル牧場のダルメルにド派手な角を取りつけたのだ。
背が高いダルメルの頭に角を取りつけるのは、スターオニオンズ団にとっても不可能任務に思えたが、
ピヨが「かがむニャー!」とお願いすると、ダルメルたちはみな大人しく頭を下げてくれた。
星芒祭には奇跡が起こるものである。

こうして街中を小さなスマイルブリンガーたちが走り回った。
彼らの通った跡は、小石のひとつに至るまでキラキラしていた。

家々の扉には、紙で作った真っ赤な花束とともに、
「メリー・スターライト!」の札をくくりつけてまわる。
扉だけではない。
街の至るところに、
赤と白と緑色の星芒祭っぽい色の紙の花やら星やらを、子どもらしい勝手気ままさで飾ってまわった。

あっという間に街が星芒祭の色に染まっていく。
「きれいニャー!」
「そうさ。これが星芒祭ってやつだよ!」

「よーし、こんなもんかな?」
「あれぇ? だんちょー、あそこー」
ピチチが、天衣無縫で知られるある女魔道士の家のてっぺんを指さした。
「うん? あれれ?」
家のてっぺんに星芒祭の星が取りつけられて光っている。
そこは子どもたちには絶対に手の届かない場所だった。
「あれ、アタシたちー?」
「あんなところまでやった覚えは……」
「でも、団長、あの家のひとがやったとは……」
「だよなぁ」
ここのおば……おねえちゃんは、いつも怒ってばかりで、おっかないことで知られている。
つまり、家主である博士の仕業ではないことは確実だ……。

謎めいた出来事が起こったものの、おおむね街は華やかになり、
あちこちの家々からはオーケストリオンの鳴る音が聞こえてきた。
星芒祭の本番が始まったのだ。

「ご苦労さま」
倉庫に戻った彼らの前に現れたのは、手の院の院長アプルルと大人たちだった。
ぎくぎくっと、コーロラコロ団長が身を竦める。
それでも、仲間たちを守るように前に出た。

『ララブのしっぽ亭』の女将であり、ピチチの母であるチャママが、両手を腰にあてながら睨んでくる。
「まったく、あんたたちときたら……」
「ぼ、僕たちは、正義の一味だぞ! 悪いオトナなんかに負けるものか!」
「誰が悪いオトナですって?」
「う……」
「はあ」
ため息をつきつつ、チャママがアプルルを見た。
「まあ、認めるわ。彼らは立派にやったわよ」
にっこりとアプルルは微笑み、それからスターオニオンズ団に向かって微笑む。
「さすがは正義の一味ね。お疲れさま!」
「えっ……」
「わたしたちも反省したってことよ」

言われて、コーロラコロ団長も気づいた。
街を振り返る。
ひょっとして、自分たちが飾り付けた覚えのないところまで街がキラキラしていたのは……、

アプルル院長が、小さな手をパンと打ち鳴らした。
倉庫の陰からオーナメントで飾りつけられたカーディアンたちがゾロゾロと出てきた。
「な、なんだあ!?」
「なんニャー?」
カーディアンたちは、いつもの杖の代わりに赤い箱をもっている。
「さあ、受け取ってちょうだい」
いち早く気づいたかしこいパポーホポーがカーディアンに駆け寄って叫ぶ、
「プレゼントだ!」
その言葉に残りの団員たちも我先にとカーディアンたちに群がった。
競うようにして赤い箱を受け取る。
コーロラコロ団長が小さな手を空に向かって突き上げた。
「スターライト作戦、大成功だあ!」
歓声があがった。


街中の飾りつけを手伝ったのは手の院のカーディアンたちだったが。
飛行能力のないカーディアンたちでは、屋根のてっぺんに星を付けられたはずがない。
ということだけは最後まで誰も気づかなかった。


Story : Miyabi Hasegawa
Illustration : Mitsuhiro Arita

開催期間

2015年12月15日(火)17:00頃〜12月31日(木)23:59頃

ゴブリンたちからプレゼントを取り返そう!

モーグリは、ゴブリンたちに持っていかれたプレゼントと調度品を探しています。街を徘徊しているゴブリンたちからプレゼントと調度品を取り返してあげましょう。まずは以下の場所にいるモーグリに話しかけてみてください。

北サンドリア/バストゥーク商業区/ウィンダス水の区(北側)


※ゴブリンたちからプレゼントをなかなか取り返せないときには、モーグリに話しかけるとヒントをもらえる場合があります。
※パーティを組むとゴブリンからプレゼントを取り返せる確率が高くなります。パーティの人数が多いほど、ゴブリンたちとの交渉がうまくいくようです。

ミニゲームを遊ぼう!

イベント期間中、以下の場所にいるNPCに話しかけるとミニゲームが遊べます。
ミニゲームをクリアすると新しい椅子に座るエモーションをはじめ、星芒祭にちなんだアイテムや調度品「オーケストリオン」の合成素材とだいじなもの「オーケストリオン譜」が手に入ります。


南サンドリア(間違い探し)/バストゥーク港(ヒヨコボックス)/ウィンダス森の区(ジョブ当て)


※調度品「オーケストリオン」の詳細は「こちら」をご覧ください。

■エモーション「リーフベンチ」について
アイテム「リーフベンチ」を使用すると、だいじなものを取得し、エモーション(※)を実行できるようになります。
※対応するテキストコマンドは、「/sitchair 9」です。

また、「2015年12月ログインキャンペーン」で入手できるアイテム「アストラルキューブ」と組み合わせると、最大3人のプレイヤーキャラクターが椅子に座っている演出ができます。

特設店で買い物をしよう!

以下の場所にいるモーグリが、「ドリームキャップ」や「スノーマンキャップ」など、星芒祭にちなんだアイテムの販売を行ないます。
※スノーマンキャップのハイクオリティ品「フロスティキャップ」は、アイテム「スノーマンキャップ」に「雪に関する何か」を合成すると作成できます。

北サンドリア/バストゥーク鉱山区/ウィンダス水の区(北側)


モーグリたちのお手伝いをしよう!

モーグリたちはプレゼントやカードを配るのを手伝ってくれる冒険者を探しています。モーグリを手伝うと素敵なアイテムと、だいじなもの「プレゼント引換券」がもらえます。
以下の場所でモーグリを見つけ、話を聞いてみましょう。

■街の人々にプレゼントを届けよう!
南サンドリア/バストゥーク鉱山区/ウィンダス水の区(北側)


■冒険者にカードを届けよう!
北サンドリア/バストゥーク商業区/ウィンダス森の区


箱を壊してプレゼントを手に入れよう!

日頃からお世話になっている冒険者の皆さんに感謝をこめて、モーグリがプレゼントの入った箱を用意しているようです。
箱は以下のエリアに置いてあるので、見つけたら壊してみましょう。星芒祭にちなんだアイテムや、だいじなもの「プレゼント引換券」が手に入るかもしれません。

西ロンフォール/東ロンフォール/北グスタベルグ/
南グスタベルグ/西サルタバルタ/東サルタバルタ

プレゼント引換券をアイテムと交換しよう

以下の場所にいるモーグリに、星芒祭で手に入れただいじなもの「プレゼント引換券」を渡すと、星芒祭に関連した素敵なアイテムと交換してくれます。

南サンドリア/北サンドリア


バストゥーク商業区/バストゥーク鉱山区


ウィンダス水の区(北側)/ウィンダス森の区


子供たちに夢を与えよう!

イベント期間中、以下の場所でスマイルブリンガーが子供へのプレゼントを配っています。
子供のNPCにそのプレゼントを渡して、多くの夢を与えると何か良いことが……?

北サンドリア/バストゥーク鉱山区/ウィンダス水の区(北側)


※子供たちにプレゼントを渡すには、アイテム「ドリームキャップ」か「ドリームキャップ+1」を装備する必要があります。アイテム「ドリームキャップ」は特設店で購入できます。

「スマイルブリンガー・ブートキャンプ」に参加しよう!

星芒祭期間中は、スマイルブリンガー・ブートキャンプに参加するためのギルが不要になり、普段とは違う特別な報酬が用意されています。
参加するには、以下の場所にいるスマイルサージェントに話しかけて参加申し込みをしてください。
訓練は初級、中級、上級の3つに分かれて おり、難易度に応じて報酬が変化します。

初級:東ロンフォール/南グスタベルグ/東サルタバルタ


中級:ラテーヌ高原/コンシュタット高地/タロンギ大峡谷


上級:バタリア丘陵/ロランベリー耕地/ソロムグ原野


オーケストリオンとは

モグハウスのBGMを自分が選んだ曲に変更できるようになる調度品です。星芒祭のミニゲームで素材を集めて合成すると完成します。

選べる曲はだいじなもの「オーケストリオン譜」の入手によって増えます。だいじなもの「オーケストリオン譜」は、ミニゲームやモグボナンザで入手可能です。

BGMの変更は、オーケストリオンの設置により扉付近に出現する“Symphonic Curator”から行ないます。

変更したBGMはモグハウス招待で招いたPCにも反映されます。ただし、インストールされていない曲が選択された場合は、モグハウスの曲が流れます。
※調度品「スピネット」を設置している場合、調度品「スピネット」に対応する曲が選択できるようになります。