トラビアルスの皇国リポート (2007/03/06)

敬愛するトリオン殿下へ

トリオン殿下には、御機嫌うるわしゅう。

さて、御所望の「ぱっと見て分かる皇国情報」の件、
私の知り得た範囲ではございますが、お送り致します。




また、以下に補足情報を列記いたしました。
御一読いただけましたら、幸いに存じます。


【聖皇ナシュメラ2世】

いまだ謎多き人物でございます。
ただ、単なる宰相の傀儡ではない様子。
その証拠に、サラヒム・センチネル社の設立に際しては、
宰相ら重臣の反対を押し切って、
独断で裁可した由にございます。

【宰相ラズファード】

本来、聖皇の親衛隊であるはずの不滅隊を
牛耳り、盛んに西方各地に派遣している様子。
その目的、確とはつかみかねておりますが、
御推察の通り「魔笛」と関係していることは
ほぼ間違いございません。

【皇立文化財調査事業団】

皇宮を後ろ盾にした調査機関の1つです。
歴史的遺産の調査を名目とする組織ですが、
例のオートマトンを開発した錬金術師が主宰している上、
不滅隊と行動を共にしていることも多く、
なにやらきな臭い雰囲気を漂わせております。
今後、さらに重点的に情報を収集する所存です。

【無手の傀儡師アフマウ】

宮廷人形師であり、2体のオートマトンを
連れている少女ということ以外、詳しくは存じません。
しかし、伝え聞く言動や衣装より察するに、
皇宮、しかも皇族に連なる人物であることは
疑いようもございません。彼の者とすでに接触しており、
今後の動向を注意深く監視していく所存です。

【アシュタリフ号】

最近、皇国の巷を騒がせている海賊船で、
別名をブラックコフィン号と申すそうです。
ルザフとかいう男の指揮下にあり、
反皇国を旗印に諸勢力を糾合しつつある様子。
いずれ、手蔓を求めて、接触を試みる所存です。

【サラヒム・センチネル】

相変わらずです。
ただ、ある傭兵の不穏な動きが気になっております。
社に潜り込ませている彼の者ならば、
何か存じているかもしれません。


私からの御報告は以上でございます。

忠実なる殿下の僕、トラビアルス


Illustration by Mitsuhiro Arita