頭上を覆うこの空は、海を越えてわが故郷の地まで続いておるのだ。
雲ひとつない天を仰ぎ見ながら彼は想いを馳せる。彼はひんがしの国の見習い武士だった。供の者を数名だけ連れて海を渡ってきた彼は、これから大使として「ミンダルシア、クォン大陸にある4つの国」を訪れねばならない。国の至宝と、ある秘密を携えて。
ひんがしの国の至宝──「源氏八甲」。
大切な宝なのだが、貸与を願ったモーグリたちは果たしてその価値がわかっているのか。
モーグリたちが、練武祭をこの中の国に広めてくれるのはありがたい。ありがたいが、至宝を貸し出すたびに盗み出され、毎年毎年の大騒ぎだ。もしかして、その大騒ぎが見たくて借りているのではあるまいな?
なんといってもモーグリたちである。この空と同じくらいに津々浦々まで、彼らがいたずら好きであることは広まっているのだ。無事に騒ぎが収まる程度の邪な輩を焚きつけて甲冑を使って大騒ぎを起こすことなどいとも簡単に……。
いや、猜疑心を表に出しては大使としては失格だろう。なにしろ今や中の国々の成長ぶりはわれらも目をみはるほどであって、この友好関係を台無しにはしたくない。
門衛の許可をとり、彼は輿を抱える供の者たちとともに都の中に入った。練武祭の担当モーグリが出迎えてくれる。
「ご苦労さまクポ! ……わあ。今年はすっごく綺麗に磨いてくれたクポね!」
輿の上に置かれた〈至宝〉は真新しい鋼の輝きを放っていた。
彼は心の中でこっそりと思う。そりゃ、新品だからな、と。例年の騒ぎに懲りた国の陰陽士が、本物そっくりに作った鎧に擬似的な霊力を注ぎ込んだ特注品なのだった。練武祭の期間いっぱいくらいは本物と同様の効果を期待できる。
「今年は贈り物も持ってきてくれたって聞いたクポ!」
モーグリの言葉に彼は頷く。わが国の職人たちが粋を凝らした逸品である。
立派な兜飾りと刀飾り。
これからおそらく起こるであろう盗難騒ぎを収めてくれた冒険者たち全員に配ってもありあまる……。
アトルガンを越えて伝わってくる中の国々の冒険者たちの話。彼らの武勇が真ならば、名工の飾り物を報奨にすることも惜しくなどあるものか。今年も、彼らの実力を測る良い機会が巡ってきたわけだった。
Story : Miyabi Hasegawa Illustration : Mitsuhiro Arita |
「練武祭」の参加方法
1、以下のエリアにいるMoogleから「燻竹刀」を受け取りましょう。
南サンドリア(J-9)/北サンドリア (D-8)
バストゥーク鉱山区(I-9)/バストゥーク商業区(G-8)
ウィンダス水の区(北側)(F-5)/ウィンダス森の区(K-10)
2、「燻竹刀」を装備した状態で以下のエリアにいるMoogleに話しかけ、燻竹刀に「破魔の術」をかけてもらいましょう。
西ロンフォール(I-6)/東ロンフォール(G-6)/ラテーヌ高原(J-8)/ジャグナー森林(I-8)/バタリア丘陵(K-8) /北グスタベルグ(L-8)/南グスタベルグ(L-8)/コンシュタット高地(I-6)/パシュハウ沼(K-6)/ロランベリー耕地(K-5) /西サルタバルタ(J-8)/東サルタバルタ(G-11)/タロンギ大峡谷(I-6)/メリファト山地(E-5)/ソロムグ原野 (E-5)
3、みんなで協力してゲンジ甲冑を着込んだ何者かを捜し出し、やっつけましょう!
敵が放つウェポンスキルを燻竹刀のエンチャント「邪気滅却」で防げば防ぐほど良いことがあるかも!?
4、見事勝利の暁には、敵を倒したポイントに「???」が出現します。
「???」に燻竹刀をトレードしてみましょう。報酬として名刀?が手に入るかもしれません。
破魔の術について
・破魔の術をかけられると、レベルが1に制限され、代わりに移動速度が上昇します。
・破魔の術の効果中は、街の外を徘徊するモンスターに攻撃できなくなります。
しかし、モンスターから襲われることもありませんので、ご安心ください。
・エリアチェンジやログアウトを行ってしまうと、破魔の術は消えてしまいます。
開催期間
練武祭は2010年4月27日(火)17:00頃より、5月11日(火)17:00頃までを予定しています。