ハフマン紛争レポート -Phase 09-

兵士たちの声

銃声の止んだ戦場、あるいは傷ついたヴァンツァーが続々と帰還する駐屯地で、家族や大義のために戦った兵士たちは何を思うのだろうか?

[U.S.N.]

セクター33の攻防は熱かった。
O.C.U.の統率のとれた戦闘には惜敗を余儀なくされることもあったが、今回はU.S.N.の勝利だ。
ところで、ペセタの美味い寿司屋知ってる?そうそう寿司アタック、今夜中隊長のおごりでSQメンバーと飲みあかすんだよ。夜間哨戒任務なんてくそくらえー!
え・・ダメ?・・どうしても?・・俺の寿司返せー!
――ハヤヌサ



長い戦いだった・・・。

開戦からひと月、O.C.U.軍にことごとく敗北し、ホワイトリバー市まで陥落した時は正直、敗北を意識していた。しかし、各部隊と連携をとり、協力しあう事で見事前線を押し上げる事ができた。人と人との絆、それが部隊を繋げ、やがてU.S.N.軍全体を支える力になると私は信じている。
――マイサウンドリーダー



皆、よくやった。
ここのところ勢いに乗りつつあったO.C.U.を止めることができた。
だが、まだ戦争は終わってはいない。
今回の勝利に満足することなく、今後再開されるであろう戦闘においても諸君らの奮戦を期待する。
さて…この後の時間、もちろん空けてあるだろうな?
…よし、これより我が隊は飲み屋へ強襲をかける。
今回も私が奢ろう、金のことは気にするな。
手加減無用だ。目標を陥落させる勢いで大暴れするぞ!
――某部隊長



正直、U.S.N.が勝利を収めたことに驚いています。
それは、今フェイズの終盤には、僕が負けを確信していたからです。
諦めたら、ダメなんですね!
ハフマンの戦いだけでなく、生きていく上で、最後の最後まで諦めなかった人が勝つんだと思わされた。
ギリギリまで、希望を持って戦い続けた、仲間たちにあわせる顔がない・・・。
次は、もう諦めない。
また、一緒に戦おう!戦友たち!!
――未熟者



ボクにとっては2回目のフェイズなのですが、激戦区に誘ってくれる先輩方がいたので安心して出撃しましたよ。最初は前線じゃない所で戦っていたのですが、最後は前線部隊に参加して一丸となって勝利をつかむ快感を味わう事ができました。これは癖になりますね!次のフェイズもよろしくお願いします、先輩方!
――激戦区初心者

[O.C.U.]

やあやあ!どうもどうも!ありがとうございます!
今回も仲間と共に血と汗を流したかいがありました!
‥苦しい戦いだった‥‥そう!あれは開戦して間もないフリーダムでの攻防!瀕死な私を追い討ちするべく飛んでくるミサイルを必死にかわし、‥‥‥ 以下略。
そして最後に渾身の思いで放ったパイルが見事に敵の急所に突き刺さり‥‥勝利っ!! わはははは!

ん?どうしたんだい?そんな暗い顔しちゃって。
‥‥えっ?負けた?
――知らぬが仏 Xi



教官殿!新兵器ズラーニを出撃させたにも関わらず、我が軍の敗北であります!
やっぱりドミトーリ公社のヴァンツァーは扱うのに慣れが必要かもしれませんね。
はやく美人テストパイロット姉妹を呼び戻してくださいよ〜><。
――O.C.U. BOOTCAMP隊員



結果として負けてしまいましたが、都市部での攻防は気合が入るよねえ。
勝利に直結する経済都市での戦いは隊員のモチベーションが違います。
おかげで部隊の皆さんの機体の損傷が激しくて……いやいや、そんな時こそ整備兵の腕の見せ所。
皆さん、次フェイズもどんどん機体を壊してきね!……ダメ?
――前線の整備兵



ま、まずい…格闘大会に夢中で土壇場の防衛戦の出撃命令をすっぽかしてしまった…。
まさかそんなギリギリの勝負だったとは…。
わかった、わかったよ!次のフェイズは前線でこのナックルを振るうぜ!U.S.N.の奴らをぶっとばしてやんよ!銃?そんなの関係ねぇ!
――荒野のテンダス乗り



こんな負け方をするとは…。だが戦力は互角だった。わが軍に油断があっただけだ。なあ兄弟?
次回は最後まで気を緩めずに勝ちにいこうじゃないか。
――老兵ジェームズ

激戦区の戦況

フェイズ07に続きフェイズ08でも勝利を収め、その実力をあらためて世界に見せつけたO.C.U.。かつて常勝を誇っていたU.S.N.の栄光は、このまま過去のものとなってしまうのだろうか?
もはや、どちらが勝利しても不思議はないフェイズ09。その戦局を、戦局図とともに振り返ってみよう。

[8月13日 9時00分]

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先手を取ったのは、連勝で勢いに乗るO.C.U.陣営だった。
同軍は開戦早々に激戦区エリア10『フリーダム市:経済地区』のセクター32「フリーダム北西部」とセクター39「フリーダム北東部」を立て続けに制圧。その傍らで別働隊を北側補給路へ差し向け、着実に激戦区エリア14『ペセタ前哨地域』に向けて進軍を開始した。

[8月21日 2時00分]

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南北の補給路における戦いは、またもや苛烈を極めた。
北側補給路を東進してきたO.C.U.別働隊を迎え撃ったU.S.N.防衛部隊は、『フリーダム市:経済地区』東端に位置するセクター66「要塞」からの支援砲撃を受けて善戦し、かろうじて後退を免れた。
しかしながらO.C.U.は、その時すでに次の一手を打っていた。彼らは、本隊を南側補給路へ進め、U.S.N.の補給路防衛の要所であるセクター47「レーダー基地」を奪取していたのである。
これにより、南側補給路での防衛戦が困難になったU.S.N.は『ペセタ前哨地域』防衛の最後の拠点をセクター68「ホワイトリバー市」まで後退させざるを得なくなった。

[9月12日 4時00分]

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U.S.N.の後退をきっかけに、O.C.U.は北側補給路で進軍速度が鈍っていた別働隊の戦力を南側補給路に移して本隊と合流させ、『フリーダム市:経済地区』東端の「ホワイトリバー市」へと総力を注ぐという賭けに出た。
その戦法が功を奏し、「ホワイトリバー市」は陥落。勢いに乗ったO.C.U.別働隊は、一度は引いた北側補給路へと戻り、敵防衛部隊の攻撃と要塞砲に耐えながら、セクター64「グレインビル市」の目前まで肉薄する。

[9月19日 4時00分]

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だが、振り返ってみれば、O.C.U.が北側補給路に戦力を分散させたこの時こそが、勝敗の分かれ目であった。
本拠地『ペセタ前哨地域』での決戦を覚悟したかのように見えたU.S.N.が、O.C.U.の防衛が手薄になった南側補給路から、にわかに反攻作戦を展開したのである。
手はじめに「ホワイトリバー市」を奪還した同軍は、南側補給路に駐留していた敵部隊を次々と撃破。
突然の反撃に虚を突かれたO.C.U.は防衛もままならず、後退を強いられることとなった。

[9月27日 12時00分]

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その後U.S.N.は、『フリーダム市:経済地区』の中心部まで戦線を押し戻し、遂には「フリーダム市北東部」と「フリーダム市北西部」の奪還に成功。さらにセクター33「フリーダム市南西部」のO.C.U.防衛部隊を無力化させ、ハフマン島最大の経済都市から撤退させるに至ったのである。
U.S.N.が総力を挙げて遂行した、この怒涛の反攻作戦によって、同軍の都市制圧率が僅かにO.C.U.を上回ったところで停戦が宣言された。
こうしてフェイズ09は、U.S.N.の劇的な逆転勝利で幕切れとなったのである。

記者:Frederick Lancaster

image補足:ジェイドメタル社製 Zora/Zigleシリーズ

O.C.U.圏内の俊英たちを集めて2027年に設立されたジェイドメタル社は、ヴァンツァーの前身“ヴァンダー・ヴァーゲン”を開発し、初の実戦投入を実現した軍事メーカーである。同社はその後、汎用性の高いバランス重視のヴァンツァーを製造し、急速に成長。比較的新しい企業ながら、その技術貢献度は非常に高く、ヴァンツァーの製造に携わる最大手の重機工業企業として名を馳せることとなった。
なお、同社が初期に開発した汎用機Zoraには、ヴァンダー・ヴァーゲンで問題視されていたパイロットの生存性をより高める目的で、胸部の張り出した丸いボディが採用された。
その後、改良を加えられながら10年以上にわたり生産されるロングセラーとなったZoraだが、現在では主力機の座を同社のZenithシリーズに譲っている。しかしながら、エンジンブロックに余裕を持たせ、機動性を重視したその優れた基本設計は、エンジンの強化や耐久力の増強を目指した上位機種Zigleや後続の改良型に継承されている。