マネキンの復元が、冒険者たちの間でひそかなブームになっている。

マネキンとは、服や鎧をディスプレイできる等身大の人形のことである。
かつては革工ギルドや裁縫ギルド、仕立て屋などでも見かけることができたのだが、いつの頃からか「呪われた人形」と呼ばれるようになり、今ではどこの店でも目にすることはなくなってしまった。

我々の生活から失われてしまったマネキン。はたして、当時のマネキンはどのように使われていたのだろうか。かつて、マネキンの製造・販売を行っていた木工ギルドが発行したカタログの一部を入手したので紹介しよう。

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マネキンは店頭で商品をディスプレイするためだけのものではありません。
お好みのスタイルにコーディネートすれば、その空間をステキに演出してくれることでしょう。

清楚な乙女
清涼感のある白い服に、しとやかなポーズ。まるで、絵画の中から抜け出てきたみたい。
たとえ外は暗くても、部屋の中はやさしい光に包まれたように明るくなります。







名家の紳士
ストライブの上下を合わせ、色は控えめにコーディネート。今にも、優雅なしぐさで舞踏会へエスコートしてくれそうです! きっと格調高いひとときを満喫できるでしょう!







やんちゃな家族
おとこの子にはポケットがたくさんついた服。おんなの子にはゆったりした可愛らしい服。
まるで弟や妹ができたみたい。
ついつい、コーディネートにも力がはいっちゃいますね!






さわやかチアリーダー
気合いの入ったポーズに、黒と赤の服で力強さをアピール。
「がんばるニャ〜ッ!」
疲れたときでも元気100倍、見ているだけで、やる気が湧いてきます。






頼もしきボディガード
岩山のような肉体に、重厚な鎧とニヒルな眼鏡。無言でたたずんでいても、存在感は抜群です!
どんなに心細い夜も、さみしくありません。






………………………………………………………………………………………………………… いかがだろうか。少なくとも、マネキンが忌むべき人形などではなく、普通の生活の中で使われていたことは、感じていただけただろう。もしかすると、マネキンを部屋に飾りたいと思われた方もいるかもしれない。 だが、残念なことに、マネキンを新たに作る技術は失われて久しく、獣人からマネキンのパーツを取り返し、復元するしか方法がないのが実情であるという。 モグハウスに飾れる実用品でありながら、危険を冒してしか得られない希少さが、冒険者を惹きつける魅力となっているのかもしれない。