迫力のある白魔道士Gougenさんと
小柄ながら前衛を務めるTiririさん。
冒険者を志したとき、必然とこれから進む道のひとつ、ジョブを選ぶわけですが、みなさんはどうしてそのジョブを選びましたか? 私はお箸より重い物を持ったことがないので迷わず魔道士に……ゲフンゲフン!!
多くは力や手先の器用さなどを生かして前衛職を選んだり、魔力の豊富さを生かして魔道士になったりと、生まれ持った得手不得手も、その大きな要素となったはず。

そんな中でハンディキャップをものともせず、常識にとらわれず、わが道をゆく冒険者に出会うことがあります。

ガルカのGougenさんは白魔道士。私と同業者のはずなのですが、私が見かけて声をかけた時は大きな兜に丈夫な鎧といういでたち。雄叫びだけでトラも倒せそうです。とても私と同じジョブに見えません。
「寄せ集めのパーティじゃ失敗がないように魔道士らしくしてますがね、たまのバリスタや仲間内で遊びに行くときは大暴れさせてもらってますよ」
といって私より重そうな棍棒と、怖そうでちょっと優しい目を光らせます。その棍棒の威力を聞いてビックリ。私が3人いてもかなわなそう。

とはいっても白魔道士が最大の力を発揮できるのはやはり後方支援。彼は白魔道士の本領も決して忘れていません。

「腕を上げた今ではそうでもないけど、魔力が乏しい事はどうしても不利になってしまいます。それを補う意味でも、毒や麻痺の治療などは見逃しません。モンスターの技が終わらないうちから治しにかかります。前衛のみんなから賞賛されると嬉しいし、やる気も出てくるってもんです」

足りない部分は技術でカバー。モンスターのどの技にはどんな治療が必要か、頭に入っていないと素早い治療はできません。私はよく「目が見えん!」とか怒られます、ハイ。

「でもやっぱり修行時代は苦労しましたよ。すぐに魔力が尽きちゃってここ一番で役に立てないし、やっと魔法を覚えても体がついていかないし。泣きながらアストラルリングを買いに走ったこともあったっけ(笑)」

どうしても体質的な不利を押してのジョブ選びは苦労が増えてしまうようです。それでも不利を不利と思わないたくましさがそこにあったのです。

「魔道士をやっていても体は丈夫ですから、危ないときに思い切り仲間を回復してモンスターに睨まれてボコボコにされても持ちこたえたりします。前衛さんが驚くくらいに。そんなときはガルカでよかったと思いますよ」

そうなんです。そりゃモンスターにしてみれば敵を回復しちゃう白魔道士は目の敵にされるわけで、下手をすると袋叩きにあって女神様のお迎えが来てしまいます。そんなモンスターの攻撃にも負けない強靭な魔道士。ステキじゃないですか。

代わってこちらはタルタルナイトのTiririさん。一度は黒魔道士を極めたものの、モンスターの攻撃を一身に受け止めて仲間を守るナイトの背中に憧れて、騎士の道を選んだとのこと。それはその小さな体の何倍もの大きさのモンスターに立ち向かうのが仕事。怖くはないのでしょか。

「そりゃ怖いですよ(笑) 見てもわかる通り体力のなさに四苦八苦。どうやってもこの体ですから、仲間に不安を与えないように、少しでも頼ってもらえるようにという意味でも、装備にかけるお金を惜しまずに少しでも性能のいい装備品を身に着けるようにしています。それに守るべきは信頼できる仲間ですから、万全のサポートを信じているから戦う勇気がわいてきます」

私たち後衛も、守ってくれると信じているから、弱い体でも強力な魔法が撃てるのです。ちょっと失敗してモンスターに睨まれたときも、サッと立ち塞がってかばってくれるナイトさん。Tiririさんが憧れる気持ちもよくわかります。

「剣を握っても魔力は豊富ですから、時には白さんの仕事を取っちゃうくらい回復魔法も万全です。そうすれば自然と敵の注意も引きつけられますから。時にはシーフさんの得意技が使えなくて困っちゃうほど、ガッチリです。だから万一魔力が尽きたときは焦りますね。ガルさんエルさんみたいに力で押せないですから」

なるほど、後衛としては強力な魔法は危険も伴うわけですが、それを逆手に取って豊富な魔力を生かす立ち回り。私は非力なタルタルさんじゃ敵の注意を引きつけるのに苦労するんじゃないかと勝手に思ってましたが、何が幸いするかわからないものです。

「魔力が豊富な事もそうですが、戦況が思わしくないとパーティの雰囲気が悪くなったりするじゃないですか。そんなとき、さっと兜を脱いで気分を和ませることができたときもタルタルでよかったと思いますね」

今回のお2人は自分の体の短所を短所と思わず、逆にそれを生かした上手な発想の転換で、一見ミスマッチなジョブを極めていました。初めは不安がられるけれど、その働きぶりを理解され、役立つことができた時が何よりの喜びということが2人から共通してうかがえました。他の多くの同じ境遇のガルカさんタルタルさんもきっと同じだろうと思います。
自分の体の特徴ゆえに一歩が踏み出せない方も、ぜひ一度、"似合わないジョブ"をやってみると面白いかも。

ダンナのTathumaに今回の取材で出会った人の事を話しているとき。
Myhal「私たちは何でもできるヒュームでよかったねえ」
Tathuma「"何でもこい"の得意なし」

そうとも言うね。