冒険者への道



あなたは「強さ」とは何かを考えたことがあるだろうか? 聖職に就く者は信仰の強さが絶対と説き、魔道を研究する者は高度な呪文でそれを証明する。だが、もっとも単純で強力なのは暴力である。

世界が蹂躙された忌まわしき先の大戦において、獣人が我々に見せつけたのは残忍にして圧倒的な暴力だ。

棍棒が一閃するたびに1つの命が失われ、獣人の表情は歓喜に歪む。そして返り血に染まるいびつな肉体が次なる獲物を見つけ出し、恐怖の悲鳴を断末魔の絶叫へと変える。それは破壊と死だけが待つ、阿鼻叫喚の地獄絵図。

クリスタル戦争における敵の正体とは、闇の王によって統率された「暴力の群れ」であった。
暴力こそが、このヴァナ・ディールに混乱と深い悲しみをもたらしたのだ。
知っての通り、我々はこの戦いに勝利した。すべての人が団結して得た強さは、暴力とは本質的に異なるものだ。しかし、こと戦場においては獣人と対峙できる「強さ」に優れた偉丈夫が不可欠であった。

騎士団や銃士隊など国によって呼び方は異なるが、文字通り矢面に立ち、獣人と互角に戦った者達である。

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彼らが振るった力は、獣人たちの暴力と同じく相手に破壊や死をもたらす物だ。しかし、その力が、ヴァナ・ディールを守る礎になったことに間違いない。

冒険者には、魔道士のように肉体的には常人と変わらぬ者も多い。獣人と対峙し、痛烈な一撃を与えると共に仲間を守る者。

冒険者が集って行動する時、その役目を担う者は間違いなく必要とされるだろう。

だが忘れてはならない。その力は獣人の力と本質的に同じなのだと。心を伴わない力は「暴力」に他ならないのだと。