冒険者への道



もっとも優れた冒険者とは、いかなる存在だろうか? 単身で竜と渡り合う勇者、あるいは一芸に秀でたプロフェッショナル。あなたがどのような冒険者を目指そうと、それは決して間違った道ではない。

厳しい鍛錬を怠りさえしなければ、あなたもいつか名のある冒険者となるだろう。しかし、それが獣人に対して脅威となることはあるまい。

仮にあなたが100匹の獣人を倒すことができたとしても、101匹目の獣人に倒されてしまうだろう。

獣人が恐れるのは個々の蛮勇ではなく、冒険者たちである。それぞれの特技に優れた冒険者が、互いの欠点を補って戦いを挑んだとき、獣人の数が1000を数えたとしも、それに敗れることはない。

その時、あなたの技術が秀でたものである必要はない。仲間の間で成すべきことをやり遂げれば、いずれあなたも優れた冒険者と呼ばれるのだから。
写真 それとは反対に、街の出口で躍起になっている冒険者たちの会話を聞くと、個人の技量を「いかに高く上げるか」ということに囚われているように見える。

確かに、駆け出しの時分は強さに焦がれるものだ。しかし、個人のみの強さでは、獣人にかなうことはない。

そのことに気づいたとき、あなたは自らが選んだ道の本当の意味を知るだろう。
冒険者の道とは、競うものではない。共に道を往く者は敵ではなく、共に戦う仲間なのだ。あなたという冒険者はヴァナ・ディールの中において他に存在しない。

覚えておくがいい。あなたの道は、あなたの速度で往けばいい。道は、いつまでもそこにあるだろう。あなたが大望を失わない限り、冒険者の道は続くのだから。