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バストゥーク班のみんな、元気? 女子3人で、仲良くやってる?

Putatta(プータッタ)は、サンドリアの食べ物と水にもすっかり慣れたよ。ただ、エルヴァーンの人って、みんな背が高すぎるじゃない? 会話だけは、首が痛くてひと苦労だよ。

ここに着いてからはね、伝統工芸のひとつ、木工に励んでるんだ。

そうだ、今日はわたしの悩み事を聞いて! 実は、木工ギルドの調査が予定よりかなり遅れてるの。だってさ、サンドリア班の男子ふたりがマイペース過ぎるんだもの。

寡黙なDalgaumm(ダルガウム)は、1日中原木を眺めたり、擦って匂いを嗅いだり。木材の世界って奥が深いらしいけど、ギルド調査員だったら実作業を体験するのが基本でしょ?

それなのに、あの人の報告書には木材のことしか書いてないんだから。

たまに口を開いたかと思えば、"深い紫色の艶が美しい「ローズウッド」という木は、バラに似た香りを漂わせることから、この名で呼ばれるようになったのだ"……なんていうウンチクばっかり。また、その話がやたらと長いんだよね。

おあ、釣竿だけには興味があるみたいだけど、"よくしなるように細く、かつ丈夫に削るのは難しい"とか

気難しい顔で語り始めちゃうから、こっちの作業が進まなくなるの。今も神妙な顔つきで、折れた釣竿をじっと眺めてるよ。妙な人よね。ガルカってこういうタイプが多いの?

Nahm-Yahm(ナームヤーム)なんて、班長のくせに、もうサイアク! 伐採に行った先でチョコボに逃げられて迷子になるのは勝手だけど、救出に行くのはわたしなんだもん!

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今朝もジャグナーに行くって言って出て行ったけど、またトラさんに追われてるのかも。任務からの逃走を試みている可能性もあるかな。

どうせいつも木材にしがみついてるか、"「クァールの髭」が〜!" とか何とか寝言を言いながら居眠りしてるだけだから、いてもいなくても一緒なんだけどね。同じタルタルとしては、もう情けない限り。

こんな具合で、ちゃんと調査してるのはわたしだけなの。「作業台」なんて大きくて重くて、小さなわたしだけじゃ作るのもひと苦労なのに、あのマイペースふたり組ときたら〜!

木工ギルドには、レディーに優しいAmarefice(アマルフィス)さんっていう職人さんがいるんだけど、彼を見習って欲しいよ! 木材運びだって、真っ先に手伝ってくれるんだから。
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ふたり組には期待しないで、棍棒とか弓とか、か弱い乙女でも扱いやすい小物の調査を始めようかなあ。

そういえばね、ここで作られた武器や楽器や家具って、サンドリア王室にも納められてるらしいの。ホワイトオーク材とかエボニー材みたいな加工の難しい高級木材を使うことも多いから、特に腕のいい職人さんだけが作業を任されるんだってさ。

王室用のゴージャスな調度品にはあこがれちゃうな。でも、作れるようになるのは何十年先のことやら……。

順調とは言えないけど、サンドリア班の近況はこんな感じかな。木工って何となく大仕事な感じがして女子は敬遠しがちだけど、やってみると意外に楽しいと思うよ。

じゃあ、そろそろ迷子のNahm-Yahmを回収に行くから、このへんで! バストゥークのギルドのお話も、いつか聞かせてね。

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