読み物



あたしの名前は、Moka Lahra(モカ・ラーラ)。三度の魚よりテトラが好き!

テトラに関する噂を聞けばヴァナ・ディール中、どこにだって行くわ。

"珍しいカードを集めること"

それがあたしの何よりの生きがいだから。

たまには冒険に出かける人たちを見送りながら、のんびり『テトラマスター』をやるのもいいものよ。見知らぬ相手とテーブルを囲んで手合わせするのは、オツなものだし。

勝負をしながら世間話に花を咲かせるなんて、獣人相手じゃできないことだと思うけどなぁ。難しいことは考えないで、大勢でわいわいやるのが好きな人にはおすすめかもね。

この前も、どのくらいやってたんだろう……。サーモンサンドをかじりながら勝負をしていたら、いつの間にか昼間に送り出したはずの冒険者さんたちが戻ってきててさ、そこでひと言。

「みんなで隣の国へ行って任務を遂行してきたんだけど君たちは、ずーっとここにいたの?」

その場にいたみんなで顔を見合わせて大笑いよ。その後は冒険者さんたちも一緒になって騒いだなぁ。

でも、本当の大騒ぎになったのはその翌日。

腕試しのつもりで入ったテーブルにいたひとりが、今まで見たことがないようなすっごいカードを持ってたの!! 一緒にいた人たちももちろん、そのカードのことは知らなかった。珍しいもの好きのあたしは何が何でもそれを手に入れたいと思ったわ。

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結局、その勝負には勝ったけど狙っていたカードをひっくり返すことはできなくてね。それを手に入れることは叶わなかったの。

でも、そこであきらめたらミスラが廃るってもんでしょ。対戦で奪えなかったのなら、入手手段を聞けばいいのよ。そしたらその人、逆にあたしへ質問してきてさ。


「お嬢さん、カードショップには行ったことはあるかい?」

「カードは何種類持っているんだ?」

何だかうまくはぐらかされたんだけど、どうやらそのあたりに秘密があるみたい。カードショップで店員さんに認められないといけないって感じの口ぶりだったわ。


さーて、早速カードショップに行ってみなきゃ! これで、また暫くは冒険者の見送り役がつづきそう……。

でも楽しいんだから仕方ない、よね!?

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