特集 東方の武器と精神
1.東方の武器

東方の遥か遠地で鍛えられた“刀”は、一見すると我々のよく知る“シミター”のような曲刀に似ているが、まったく別ものである。

南方起源の曲刀と同様、「斬る」ための反り身の片刃でありながら、「突く」ことも重視した鋭利な切っ先を備えているのだ。また、その斬れ味は、鋭利で有名な“サンドリア剣”のそれをもしのぐと言われている。


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さらに、“野太刀”と呼ばれる大型の“刀”には、手練の者が用いて一刀のもとに敵の鎧や甲殻を両断した、という、にわかには信じ難い噂まである。

従来、これら東方の武器には厳しい輸入規制がかけられており、冒険者ですら手にする機会は、ほとんどなかった。だが最近、天晶堂の密売やヤグード族との物々交換など、様々な裏ルートから、ひそかに冒険者の手にわたり始めているらしい。

当然のことだが、優れた武器を活かすためには、相応の修練、そしてそれへの深い理解が必要である。

そのため、東方の武術は無論のこと、その精神まで学ばんとする者が、少しずつ現れているようだ。

彼らこそが、“侍”や“忍者”と呼ばれる、新しい生き方を選んだ冒険者なのである。

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