チョコボの穴掘りと栽培(2006/07/03)

チョコボの育て方

ヴァナ・ディールの人々にとって、もっとも身近な乗り物であり、旅の友でもあるチョコボ。近年、冒険者の活躍によってますます需要は高まるばかりのチョコボだが、その詳しい生態や飼育法については意外と知られていないことが多い。数多のチョコガールやチョコボーイを育成し、各国のチョコボ厩舎に派遣している現VCS(世界チョコボ厩舎協会)の会長であり、名調教師としても知られるハンティリヨン氏に、チョコボに関するさまざまな疑問について答えていただいた。

チョコボの誕生

チョコボは生まれてすぐ目が見えると聞きましたが?
「チョコボのヒナは、嘴で殻を割り自ら卵から出てきますが、その時すでに全身を和毛に覆われており、目も見えております。さらに1日もすれば立ち上がり、よちよち歩けるようにすらなります。これは、まだチョコボが野生だった頃、肉食動物の多いクォン大陸では走れるかどうかが生存と直結していたからでございましょう。
ですが、そんな早熟のチョコボとて、か弱いヒナであることには変わりございません。幼鳥には暖かい寝床と軟らかいエサ。そして何より温かい愛情が不可欠です。
ですから、私どもVCSでは、ヒナが生まれるとすぐオーナーさまに連絡して命名していただき、その名を呼んでやりながら世話をするようにしております。そうすると、我々もより愛着がわきますし、チョコボも必ずそれに応えてくれますので。
よくある名前でございますか?そうですね。名の一部に、そのヒナの親鳥の名を引き継がれる方が多く見受けられます。また、縁起をかつがれて往年の名チョコボの名前から拝借されるオーナーさまも少なくないですね。」


チョコボの世話

チョコボの好物といえば「ギサールの野菜」が知られていますが、他に厩舎ではどういったエサを与えていますか?
「有名な『ギサールの野菜』に代表される葉菜類。それに『サンドリアカロット』に代表される根菜類も好物ですし、栄養もございますのでよく与えております。それから、『キューピッドワーム』のような動物性のエサも、筋骨の強いチョコボを作るためには欠かせません。他には、薬用効果のある野草を摘んできて食べさせることもございますね。苦味がきついようで、あまりチョコボが好んで食する訳ではございませんが……。
私どもVCSで気をつけていることは、幼鳥から若鳥の頃は、バランスのよい給餌でチョコボの健康を保つこと。そして、どのようなチョコボに育てたいか、オーナーさまの明確なビジョンをうかがい、徐々にそれに適した給餌に切り替えること。といったところでございましょうか。」


エサ以外にどういった世話を心がけていらっしゃいますか?
「先ほども申しましたが、良いチョコボを育てる上で、もっとも大切なのは愛情でございます。チョコボの名を呼んで話しかけ、共に外で遊んでやることです。
それから、時には叱ること。甘やかすばかりが愛情ではございませんからね。
それと、チョコボは走ることが大好きですから、外に連れ出して他のチョコボと競争させることも日常的に行っております。チョコボにとって、よい気晴らしになるし、体力作りにもなりますので。」


チョコボの育成

VCSでは、良いチョコボを育てるため、どういった訓練を行っているのでしょう?
「『かわいい子には旅をさせよ』と申しますが、VCSでは若鳥のうちからチョコボにさまざまな経験を積ませるよう心がけております。『穴掘り』や『伝令』、『宅配』等、いろいろな任務のスケジュールを組み、計画的に実行させることで、たとえ危険な場所へでも冒険者のオーナーさまをお運びできる『勇気』と、危険な事態に臨機応変に対処できる『機転』を養うことができるからです。
それから、一見同じように見えましても、個々のチョコボはさまざまな血統を受け継いでおりますし、能力も異なるものでございます。ゆえに、まずは個性を見極め、そのチョコボの長所を無理なく伸ばす育成計画を立てることにも腐心しております。」

最後に一言お願い致します。
「私どもVCSでは、一番のオーナーである冒険者の皆様の意見をうかがい、より優れたチョコボを送り出せるよう、新しい育成方法の導入を計画中でございます。どうぞ、ご期待くださいませ。」

「『ヴァナ・ディール・トリビューン』VCS広告のページ」より

Illustration by Mitsuhiro Arita