皇都を出港し、荒波の暗碧海を島伝いに北上すると、たどり着くアズーフ島。その濃霧に覆われた島にある唯一の町がナシュモである。かつては皇国海軍の補給基地として利用されていたが、疫病が流行した際に町ごと放棄されてしまい、今では人間に代わって住み着いた獣人キキルンが、港の一部を運営。アラパゴ諸島を訪れる漁師や流れ者相手に、細々と商いを営んでいる。町の東には「瘴霧の沼」と呼ばれる、底なしの泥濘地帯が広がる。